順調すぎて怖い…22冊

また、前回の更新から一か月以上更新の間隔が空いてしまったわけですが、その間の読書ペースはここ数年あり得なかったほど順調。二月中旬だというのに、ここまでで22冊!一か月で10冊以上!このペースが年末まで続けば、これまでの人生で一度しか経験したことのない年間100冊越えも夢ではないわけですが、そろそろ年度替わりも近くなってくるので、そうもいかないだろうなあ、と。とりあえず、読めるうちにガンガン読んでおこうと思いますよ。

 

本と鍵の季節 (単行本)

本と鍵の季節 (単行本)

 

 米澤さん得意の青春ミステリですが、今回はまた一段と闇が深い(^^;二人の図書委員が、各々違う切り口で真相と向かい合う構成が、実にとんがってて良い感じです。図書館で勤務したことのある身としては、図書分類なんかが謎と絡んでくるのが懐かしくて趣深かった…

 

そしてミランダを殺す (創元推理文庫)

そしてミランダを殺す (創元推理文庫)

 

 このミスで知り、面白そうなので手に取りました。なんか、うわあ、という感じの展開(^^;とても人の生命が軽い。ラストのオチは、やや予定調和的ではありますが、ともかく騙し騙され殺されていく男女の人間模様がどうしようもなくてイイ。

 

 やっぱりこのシリーズ読むと読みたい本が増えてしまう。二転三転する寿美歌さんの秘密が、ミステリとしても刺激的。美味しいです。

 

消えたダイヤ (河出文庫)

消えたダイヤ (河出文庫)

 

 

 

白骨の処女 (河出文庫)

白骨の処女 (河出文庫)

 

 

 

見たのは誰だ (河出文庫)

見たのは誰だ (河出文庫)

 

  ふと昔の探偵小説が読みたくなり、立て続けにジャケ買い。特に森下雨村は郷土の作家さんでもあるので、前から読んでみたかったのです。日本の探偵黎明期の作品故にやや手法も荒削りで、結構手がかりも重要人物も出方が雑なのは否めないけれど、やはりテンポの良い文体とストーリーのわくわく感は素晴らしい。少年の戻って楽しんだ感じでした。

 

 

オーバーロード1 不死者の王

オーバーロード1 不死者の王

 

 

オーバーロード2 漆黒の戦士

オーバーロード2 漆黒の戦士

 

 職場の後輩に勧められて読んでみましたー。面白いです。が、やはり俺がおっさんだからか、作中でゲーム的用語が飛び交う世界観にどうしても馴染めない。話はいろいろ先が気になる部分はありつつ、今後読み進めるかどうかは思案中。年取るっていやあね。 

黒き微睡みの囚人 (竹書房文庫)

黒き微睡みの囚人 (竹書房文庫)

 

 失脚したヒトラーが私立探偵として活躍?するという、不思議なお話。主人公があまりいい人でないので(だってヒトラーだもの(^^;)共感できず、今一つストーリーに乗り切れないところはあったけれど、アウシュヴィッツで夢見る作家の現実と交錯する万華鏡のような仕掛けがなんとも味わい深かったです。

 

こっから3冊は、読書が好調なので積読消化に励んだもの。10~20年寝かしてた筋金入りの積読(^^;

 

ボーダーライン

ボーダーライン

 

 無垢な笑顔で握手をするように人を殺す男と、その存在に地獄を見せられた家族、その思いを背負い男を追う探偵。最近、「サイコパス」と呼ばれる人々の存在が以前に増してクローズアップされてきていますが、そのせいか20年前の小説だけど全く古く感じません。人の子の親である、ということの理屈抜きの哀しみが深々と胸に突き刺さる一編でした。

 

禿鷹の夜 (文春文庫)

禿鷹の夜 (文春文庫)

 

 これまた20年の積読。悪徳警官だが非情さも身勝手さも女を愛する誠実さもぶれない禿鷹さんが魅力的。

 

Iターン

Iターン

 

 これ、たしかダヴィンチの「プラチナ本」で紹介されてて読みたくなって買ったのに、結局8年も寝かしてしまいましたよ(^^;読んでみると、たしかにプラチナ本に相応しく面白い。はちゃめちゃな話ではありますが、死中に活を見出すというか、ヤクザの世界に放り込まれながらも開き直って最後には成功を手にする冴えない中年サラリーマン主人公。痛快。もっと早く読めばよかった。

 

 あと2冊は書影で許してください。つかれた(笑 

生活保護 VS 子どもの貧困 (PHP新書)

生活保護 VS 子どもの貧困 (PHP新書)

 

 

 

 

お正月に読んだコミック

  

 

同居人はひざ、時々、頭のうえ。(1) (ポラリスCOMICS)

同居人はひざ、時々、頭のうえ。(1) (ポラリスCOMICS)

 

 以前から気になってた作品でしたが、1月からアニメ化するので思い切って最新5巻まで揃えてお正月は一気読み。いやあ、ハルちゃんかわいい。スバルくんとハルちゃん、人と猫それぞれの視点で同じ場面が描かれるのも、二度おいしい感じで、なんだか愛おしさが増す感じ。うちの猫どももハルちゃんくらい好き嫌い言わずご飯食べてくれたらうれしいんですが…(ため息)

 

 こっちも1月からアニメ始まりましたねえ。アニメではどの辺りまでやってくれるんでしょうか…脱出あたりまでかな?

今のところ好調!

2019年も明けてはや2週間経過しているわけですが。今年は例年になく読書が好調。

本日1/14時点で、8冊読了。ここから先、同じ読書ペースで一年間続けるのは難しいとは思うのですが、それでも2018年の52冊は超えられる可能性も高そう。がんばりたい。とりあえず1月中に10冊は超えたい。

 

モリアーティ秘録〈上〉 (創元推理文庫)

モリアーティ秘録〈上〉 (創元推理文庫)

 

 

 

モリアーティ秘録〈下〉 (創元推理文庫)

モリアーティ秘録〈下〉 (創元推理文庫)

 

 キム・ニューマンはドラキュラ三部作積読なので(^^;初体験でした。表紙の雰囲気などからはシビアでクールで格調高いピカレスクロマンを予想していたのですが、ずいぶんとまあ、はっちゃけたお話(笑)。火星人が出てきたり(笑)、タイムボカンにでも出てきそうな「ギリシャ蛟竜」が暴走したりとか、どうかすると宮崎駿版の「名探偵ホームズ」みたい。いやあ、楽しみました。そして、語り手のモラン大佐はスケベで下品(笑)で愛嬌がある。

 モリアーティものとしては、「憂国のモリアーティ」を愛読してまして、そっちとつい比べてしまうのですが、ぶち込まれた他作品のキャラクターや世界観の量ではこちらが圧倒的。自分は読書量も知識も少ないので、どうしても注釈から元ネタを追いかけることしかできないのですが、もし元ネタ把握してたらすごく楽しめただろうなあ。ちょっと悔しい。

 

真実の10メートル手前 (創元推理文庫)
 

  ジャーナリストである大刀洗万智が探偵役である故の、世界の在り様を冷徹に見つめる視点。どの話も読んでいて苦々しく、胸が潰れそうになる短編集。

一番悲しくなったのは、ものすごい身勝手な大人の都合で死すら汚された高校生カップルが哀れすぎる「恋累心中」。

人間の虚栄心が招いた空虚な死と、それに胸を痛める高校生。彼の心を救うために自ら泥をかぶるかのように言葉を投げかける大刀洗さんが厳しくも果てしなく優しく感じる「名を刻む死」。

 どれも印象的だけど、どの話にも共通するのは、「真実」「正義」という言葉の、あるいは人を救おうとする行為の、いかに手を伸ばそうとも届かないときは届かないという人としての、ジャーナリストとしての「虚無感」「無力感」じゃないかと思いそれでも「真実をサーカスにしないために」苦闘する、大刀洗さんの姿はとても気高く感じます。

 

神様

神様

 

  この短編集所収の「離さない」という話が「怖い!」とtwitterで話題になってたのを見て、気になって手に取りました。川上さんは初読の作家で、勝手に恋愛小説系の方かと(「センセイの鞄」とか)思ってましたが、なんとも幻想的でシュールな作風。好みかも。「神様」と「草上の昼食」に出てくる「くま」はとても可愛らしく、ぜひ友達になりたい。 目当てだった「離さない」は、たしかの怖い!!…が、最後のトドメの一言よりは、人魚に魅入られた二人の妄執がさりげないやりとりの中で交差する瞬間の、なんでもない描写。そう、怖いのは人魚でなくて魅入られてしまった人間の姿の方だったり。

 

どこに転がっていくの、林檎ちゃん (ちくま文庫)

どこに転がっていくの、林檎ちゃん (ちくま文庫)

 

  冒険に次ぐ冒険、復讐譚というけれど、読んでいていまいちピンとこない。

 主役ヴィトーリンが受けた屈辱について、あんまり詳しく語られないので、なんでそこまで許せないのかもよく分からない。そして、その状態で混迷極まるロシアの戦場にどうかすると収容所にいたときよりキツそうな思いまでして舞い戻りたいのか、本当によくわからない。よくわからないまま転がるように物語に引っ張られていき、虚無感と脱力のラスト。解説を読んで初めて、この物語が評価された背景が「ドン・キホーテ的」展開が歓迎される時代にあったと知り、納得。とりあえず、ヴィトーリンはいい人だと思う(笑)

 

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
 

  先崎さんといえば「3月のライオン」監修のイメージが強いのだけど、しばらくお見かけしないうちに、そんな苦境と闘っておられたとは。飾らない、淡々とした筆致で語られる治療と回復に向けた日常の積み重ね。まさに、薄皮をはぐようにゆっくりと、しかし確実に良くなっていく様子を読んでいると、一緒に暗いトンネルから明るい出口に歩いているような感じでした。といっても、本当に先崎さんの辛さがわかるわけではない、他者は決して理解できず想像するしかない病気が「うつ」なので、これは僭越なのかもしれませんが。

 少なくとも、うつという病気との向かい合い方がひしひしと伝わってくる一冊でした。ただ、ここまで回復されたのは、先崎さんに「良くなりたい」「復帰したい」という強い意志と、そのために自身の病を理解して一歩ずつ進んでいく力があったからで、他の患者さんが同じようにやって回復できるかは別問題なのかもしれません…が、少なくとも、うつ病という病気との正しい付き合い方の具体例なのではないか、と思いました。

 

麒麟児

麒麟児

 

 歴史の教科書には必ず出てくる、江戸を戦火から救った勝海舟西郷隆盛の会談。

その裏側に、こんなヒリヒリするように切迫した交渉と情報戦が隠されていたとは。

派手な合戦シーンもチャンバラもないけれど、両者、両陣営が繰り出す言葉が刃のように鋭く光る、手に汗握る闘い。そして、陣営は違えど国と民を思う志を一つとする、勝と西郷の友情。彼らを巡る状況が、もう少し彼らに味方したら、日本の歴史はもっと違ったものになっていたかもしれないと、ひしひし感じました。素晴らしかったです。

 

日本懐かしプラモデル大全 (タツミムック)

日本懐かしプラモデル大全 (タツミムック)

 

 ロボダッチとかアオシマのオリジナルロボとかメガロ・ザマックって、本当大好きでした。メガロ・ザマックは実はアニメがあるんじゃないかと当時思っていた(笑

謹賀新年&プチリニューアル

やや遅くなりましたが、2019年あけましておめでとうございます。

今年もゆるゆるとマイペースで更新していきますので、よろしくお願いします。

毎年、新年が明けたら干支にちなんだイラストを描いてサイトの看板と背景に据えているのですが、今年もやりましたよ。コンセプトが本当グダグダですが(笑)

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看板に持ってきたのは、河鍋暁斎の絵、蛙が猪の上に跨っている絵を見て思いついた、猪バトルカーを駆る蛙士官。みたいな。戦闘用車両の割にはカラフルすぎます。

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背景に持ってきたのは、ロボダッチ風にと考えた猪ロボ。上はもともとのバージョンで、下は背景用にカラーリングを変えた奴です。

この1年間は、この画像でいくと思います。

年の瀬に観たDVD

 

大魔神逆襲

大魔神逆襲

 

 

 

地獄 [DVD]

地獄 [DVD]

 

 

年の瀬に読んだコミック

 

 

 

海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

 

 

 

 

 

双亡亭壊すべし (11) (少年サンデーコミックス)

双亡亭壊すべし (11) (少年サンデーコミックス)

 

 

52冊でした

今年の読書冊数は、どうにか前回更新時の目標は超えて、52冊でした。

 

東京輪舞

東京輪舞

 

 

そして、前の記事でも書いたけど大晦日に読了したのは「東京輪舞」。なんというか、平成最後の大晦日にこの小説を読み終えたのは、なんというか不思議なタイミング。

終わりゆく平成を俯瞰しつつ味わうと、切なさがこみ上げます。公安の一員として国家に尽くし続けながら、その実直さゆえに、奪われ、失い続ける生き方しかできなかった主人公砂田。その後ろ姿から浮かび上がる平成という時代の姿。それはまさに、砂田と同じように、失い続けた時代だったのだとしみじみ感じました(作品内では、もう少し異なる表現をしていますが…)。

 その平成が終わりつつある今、次の時代が「取り戻す時代」となるのか、もしくは新たなものを得る時代となるのかは、我々にかかっているわけで。砂田のように、愚直に見えても誠実に向かい合うことができれば…と思います。

www.47news.jp

郷土出版ゆえアマゾンにtリンクがないので上記リンクで代替え。

古き良き時代の、高知の町が元気であったころの文化史を語るうえで、身近すぎて見落しがちな文化遺産、喫茶店やバーのマッチ。その小粒ながらも独創性あふれるデザインは、観ていて飽きません。活字が少ないので読書冊数としてカウントするのは少し気がひけましたが、貴重な読書体験であったことは間違いないので。素敵な本でした。

 

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

 

 

 

親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと

親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと

 

 来年はさらに読書冊数伸ばしたいと思いますが、どうでしょう。年間52冊ということは週1冊ペースということになるんですが…これ以上は無理かなあ(^^;