今年最初の読書は

これでした。

福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)

福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)

実は正月のドラマ化とか知らずに、何げに手にとって読んだのですが、面白かったです。福家警部補が女性だとは知らずに読み始めたのですが、コロンボや古畑的探偵役を女性がやるというのは、かなり珍しいのでは?地味だけどお酒はザルで(笑)愛嬌のある福家さんのキャラクターはなかなかに萌えです。
お話自体は、倒叙モノのスタンダード(ってものが分かってるほど倒叙モノに親しんでいるわけではないので、飽くまで先入観ですが)に則った正攻法のもので、斬新さというのはあまりないのかも。ですが、魅力的な登場人物、魅力的な探偵役、巧みな場面展開と語り口で、飽きさせません。
まだシリーズは続いているようなので、続編にも期待です。

ドラマ「福家警部補の挨拶〜オッカムの剃刀〜」

で、1月2日に放送された正月ドラマ版の福家警部穂、録画していたモノを鑑賞したわけなんですが。
原作はあまりお遊びやお巫山戯のない、真面目なミステリで、そこから生まれる緊迫感も良かったと思うのですが、変なギャグ風アレンジで、そういったサスペンスな雰囲気が台無し。
なんですか、この古畑にケイゾクやトリックを無理矢理ぶちこんで雑に煮込んだようなドラマは。
 いらんところに力が入っているくせに、ミステリとして肝心な部はボロボロ。
 被害者の足跡を示す結構大事な伏線に、思いっきり矛盾した箇所があるし、ラストシーンの犯人と福家の会話なんて、脚本家は上手にアレンジしたつもりなんでしょうけど、原作と比較すると全く意味も重みも違う。
原作のあのラスト、「オッカムの剃刀」の教訓がそのまま犯人を追いつめた皮肉さ、切っ先の鋭さ――倒叙ドラマの面目躍如とも言えるこうした展開、面白みを、果たして制作者は理解してらっしゃるのかね?
福家警部補訳の永作博美をはじめ、キャストは全体的にはまり役で、熱演してただけに…本編がこういう出来になってしまったのは本当に残念。
ギャグもサイコ風味(これまた、無理のありすぎる演出なんですけどね)恋愛要素もいらんから、過去の福家と柳田の因縁を省略しないできちっと描いてほしかったし、永作福家VS草刈柳田のハードな知的闘争を見たかったです!
もしドラマ第二弾があったとして、この流れで作られるなら見ないな、多分。

最近読んだコミック

最近のはまぞうは新刊の書影アップが遅すぎる気がする…

大奥 第4巻 (ジェッツコミックス)

大奥 第4巻 (ジェッツコミックス)

家光編完結、時代は綱吉へ。
なんだか、女系将軍家の確立のために、個人のあらゆるピュアな感情が握りつぶされていく感じで、非常に切なくて辛いです。3巻以降、人間ドラマより歴史ドラマ風のクールな語り口になっているのが、それをいっそう強調してる感じです。
ともかく、綱吉編もなんか焦臭くなりそうだし、先が気になってしょうがないのです。でも、単行本が出るのはまた…1年後か(泣)これまた辛いなあ。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

いやあ、なんか小畑・大場(ガモウ)コンビの苦節の歴史がそのまま刻み込まれている感じの作品で、大変興味深いです。サイコーたちが漫画家になりたいと思ってしまった動機とかは多分に少年漫画チックなんですが、その反面、業界話はどこまでもリアルな感じ。変な妥協はしないで、初期デスノで見せた「少年誌でここまでやるか」路線で突き進んで頂きたいです。

凛ルートや桜ルートの路線を絡めたオリジナル展開に燃えます。

なんだか複雑になりすぎてた感じのあるここ数年の展開が、やっと綺麗に畳まれそうな感じ。最終章突入といったところでしょうか。最後まで見届けたいと思います。

あと2冊は、読了報告のみでお許しを。

ヘタリア 2―Axis Powers (2) (BIRZ EXTRA)

ヘタリア 2―Axis Powers (2) (BIRZ EXTRA)