今年最後の更新

って、これだけ更新ペースのろいのにこの年の瀬の年明け間近に更新する意味もないんですが(^^;まあ、気分の問題で。そもそもトップ画像も真夏モードのままだし(笑)
とりあえず、今年もいろんなことがありましたが、一番大きな出来事は職場が変わって、今まで全く未経験だった「ケースワーカー」なる仕事に携わるようになったことかなあ。でもって、これが社会人人生で一番面白くて充実してたりする。ゆりかごから墓場まで、人の人生に立ち会う仕事。今年はこの本業の方が忙しくて、読書ペースは著しく落ちたわけですが。今年は2年目になることだし、もう少し時間的余裕は出来ると思うから、読書ペース上げたいです。

年末?読書

 結局、今年はトータル50冊に到達せず。43冊でした。「このミス」とか見ても、読んだのがほとんどない(苦笑)なんか、こんなんでミステリ読みとか趣味は読書とか言えるのかねえ…と自己嫌悪。

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

伊藤計劃さん2冊目。伊藤さんの作品は、読み飛ばし出来ません。彼の著作がほとんど晩年の作品ばかりということもあって、また、「虐殺器官」もそうでしたが、生きることと死ぬこと、その深層に迫っている気がするので、敬虔な気持ち無くしては読めないのです。でもって、この「ハーモニー」。より死期が迫り、より死を身近に感じていたはずの伊藤さんが、こんなにも死を客観化して、人間が生きるということは何か、と酷薄なまでの洞察を展開していることに、胸が締め付けられます。それとも、死が近いからこそ、生と死の境にあって生の意味を常に考え続けていたからこそ到達できた境地なのか。
 ともかく、人は何故人であるのかを、こんなにも率直に冷徹無比に描いた作品を私は知りません。合掌。

君がいなくても平気 (カッパ・ノベルス)

君がいなくても平気 (カッパ・ノベルス)

微妙にネタバレしますので、未読の方はご注意を。
面白かったです。久しぶりの石持さんですが、相変わらずの論理のアクロバット。でもって驚愕のラスト。でも、表紙裏の説明にあるほどは「エゴイズムとサスペンス」ではない気がする。だって、主人公はエゴイストぶってはいるけど、行間から決して「君がいなくても平気」なんかじゃない様子がぼろぼろこぼれてで来るんだもの。その変の主人公の不器用な愛情含めて、泣ける結末ではあったわけですが。石持さん一流のロジック系ミステリであると同時に、上質の悲恋物語

往復書簡

往復書簡

夜行観覧車」が今ひとつ納得いかないお話だったので、読もうかどうしようか悩みながら手に取りましたが、うん、これは面白かった。湊さん一流の毒もしっかり流しながら、それでも最後は泣かせるマジック。湊さん曰くの「第二ステージ」というのはこういうことなのか。「告白」の邪悪なカタルシスを期待すると、少々物足りなくはありますが、「往復書簡」だからできる語り口、だからこそ成立するサスペンスと涙のラスト。面白かった。

 あとは書影でお許しを。

ランジーン×コード (このライトノベルがすごい!文庫)

ランジーン×コード (このライトノベルがすごい!文庫)

洋梨形の男 (奇想コレクション)

洋梨形の男 (奇想コレクション)