GW中の読書

遡及更新中。5/6日に書いてます。

石の猿
石の猿
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5. 7
ジェフリー・ディーヴァー著 / 池田 真紀子訳
文芸春秋 (2003.5)
通常2-3日以内に発送します。
今回はリンカーンVS犯人の頭脳戦があまり切迫してない気がして、今までのシリーズの中ではつまらなく感じた部類かも。それでも、真相部分ではやっぱりそれなりに度肝を抜いてくれるし(いや、ゴーストの正体は割とすぐ見当ついたけど、その真の犯行目的は、かなり戦慄的)、やっぱりディーヴァーはいいなあ。ゲストキャラのリー刑事も何げに存在感があって、好きでした。彼の言葉でライムが方針を変えるところは、なんかじーんときた。ああ、友情って時間の長さではないんだなあ、と。

雨の恐竜
雨の恐竜
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5. 7
山田 正紀作
理論社 (2007.3)
通常24時間以内に発送します。
児童書やヤングアダルト層向けと言うにはあまりにえげつなくて醜い大人の世界が手抜きナシに描かれていてどうよ、と思ったけど、講談社ミステリーランドとかもそんな感じの作品多いからいいのかコレで(^^:。そう、真相とか大人達のキャラとかどうしようもないのに、それでもほんわか温かい気持ちになれる不思議な作品でした。ファンタジーとミステリの融合という山田氏の目論見は成功していると思います。

観光
観光
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5. 7
ラッタウット・ラープチャルーンサップ著 / 古屋 美登里訳
早川書房 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。

姫川みかげさんが絶賛してるのを見て手に取った作品。タイの都市・自然情景の描写がとても美しくて、描かれたタイの人々の姿もなんかけなげで切なくて、各短編の結末もなんか後を引く感じの、印象深い作品群。一番胸に残るのは、やっぱり表題作ですね。
涙滂沱と流して号泣する類の「感動」ではないけど、砂浜の上に点々と残る足跡のように、くっきりと心に刻まれる感じのお話。

ぶっちゃけ気まぐれで買った作品の未読消化だったんですが、かなり面白かったです。この作品では日本に「陪審制度」が既に導入されているという架空の設定が使われているのですが、裁判員制度の開始を前にして読むと、なかなかに趣深いです。近未来の日本の法廷って意外とこんな感じかも。