60冊台に到達〜
いやあウレシイ。何を特別に今年頑張ったというわけでもないんですが、それでも年間100冊読書の目標に、着々と近づいております。
どうかすると、今年ってば「人生のうちで一番本を読んだ年」かも知れません(^^:
でも、今思い出してみると、あんまり内容を思い出せない本もあったりするので、やっぱり30代も半ばに近づくと、記憶力は減退する一方なのかと哀しくなります…
ともかく、60冊目までの読了報告、一気にいきます!
猫好きには、良くも悪くも「たまらない」小説。その昔「バカミスの世界」で紹介されていたのですが、まさに凄絶な大風呂敷を広げまくりの、超絶ミステリでした。面白かった。
主人公の賢い少年猫フランシスの一人称で話は進むのですが、彼は非常に理屈っぽく、くどくどしい性格をしているので、お世辞にもリーダビリティが高いとは言えません(笑)。それでも、緻密な猫学の蘊蓄や、微笑ましいフランシス他の猫キャラクターの存在感で、ぐいぐいと読ませてくれます。
でも、ラストはやはり何か哀しい。事件の根底にあるのは、やはり人間の好き勝手にされる動物たちの生命の悲劇があるから。
そのあたり、月並みなテーマといえばテーマなんですが、圧倒的に戦慄的に感じられるのは、やはりこの犯人と動機故…ごにょごにょ。
猫好きには、オススメしたいけどオススメしたくない、変な小説です(笑)
実は、「このミス」で上位にランキングされた当時に買っていたにも関わらず、何故か今まで積んでいました。こんな傑作を今まで読まずに寝かせていたとは…己の不明を恥じるばかり。
スリリングな状況設定とスリリングな論理展開の見事な融合。派手ではないが説得力と必然性に満ちたトリック。そして、あまりに予想外であまりに絶望的で、苦々しく後を引くラスト。全てが最高でした。
月蝕の奇跡は、本当に起きたのか?このエピローグは、どうかするとカーの「火刑法廷」に匹敵する「オカルトとミステリの融合」なんじゃないかと勝手に愚考する次第です。
というわけで、石持さん全作品読破計画を急遽発動。これまた未読だっやデビュー作を手に取りました。ですが、うーん。やはり「月の扉」とか「扉は閉ざされたまま」なんかの大傑作の後に読むと、少々食い足りない感じは否めません。閉鎖状況とか、入り組んだ犯人と真相とか、面白いのは確かなんですが…先に読んでおけば、もっと楽しめたのかな。
うわー、オーケンなめてましたよすみませんすみません。
こんなぐちゃぐちゃで彼岸の彼方まで行ったっきり帰ってこないような狂気の物語だったとは。ストーリーを構成する全ての歯車は歪み、耳障りな不協和音を上げている。文章とか、物語のテンポなんかはお世辞にも上手いとは言えないけれど、それが計算されていない異様なリズムを生んでいます。最近ガガガ文庫で原田宇陀児による「外伝」が出たらしいと聞いて、ふと手に取る気になったのですが、想像を超えたスゴイ小説でした。すみませんすみません。メグマ万歳。
グランダンの怪奇事件簿
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5.28
そして、100冊目指して更に読書中。今はエドモンド・ハミルトン「フェセンデンの宇宙」読んでます。こうして気合いを入れて更新しても、基本的に積読の消化が中心なので話題性には乏しいですねえ(笑)