ようやく41…

 8月に入っても、まだ50冊超えませんよ…ダメダメだあ。真夏日に負けて、ますます読書速度遅くなってくるし、最悪です。

★「落下する緑 永見緋太郎の事件簿」田中啓文



田中さんの本格ミステリは、「鬼の探偵小説」以来なのですが、なんて贅沢な粒ぞろいの短編集。永見の天然ボケ名探偵&天然スウィングジャズプレイヤーぶりもいいんですが、どの謎も導入から魅力的で、かつ解決も各編のタイトル同様色鮮やか。どの話もオススメなのですが、特に最後尾の「砕け散る褐色」での、演奏バトルをしかけることによって犯人を焙り出す推理法などは、溜息が出るほど圧巻。
しかし、田中さんがジャズ好きなんて、普段の作品での悪ふざけぶりや下ネタ好きぶりからは、想像できないですな(笑)

★「君の望む死に方」石持浅海



「扉は閉ざされたまま」に続く、碓氷優佳シリーズ第弐弾。前作で緻密にして大胆な頭脳戦にシビレまくった身としては、期待は嫌が応にも高まります。今回は、優佳ちゃんの相手は殺人を実行したい人と、その犯人に殺されたい人、三つどもえのバトルなわけですが。優佳ちゃんの妨害工作はどれも、凶器になりそうなモノをこっそり位置変えしたり、会話を引き延ばして犯人を足止めしたりと、非常に地道極まりない(笑)。
これ、wowowでドラマ化したはずなんですが、こんな地味地味な話をどうやってドラマ化したのか、不思議で仕方がありません。
もっとも、結末まで読めば、そうして目に見える細工以外に、いかに多くの伏線が散りばめられていて、いかに優佳の行動が計算され尽くしたものであったか、やはり舌を巻かされるのですが…
この最終の幕引きは、賛否両論でしょうねえ…

★「ラブコメ今昔」有川浩



よく自衛隊ネタでこんないろいろ書けるなあ…と感動することしきり。というより、自衛隊という組織が、いかに多くの職種の人々で運営されているか、ということなのでしょう。深い。
ちなみに、どの話も相変わらず甘々で、思わずにやけてしまうほどラブラブです。でも、キャラがみんなカワイイから、少しも嫌みがなくて、心から応援してくなる感じ。

★「別冊図書館戦争2」有川浩



有川さん感想二連発です。
これで今度こそ図書館戦争シリーズともお別れかと思うと、やっぱり寂しいですが…最後に手塚・柴崎という屈折してある意味堂上夫妻より苦難を抱えたカップルの結末が来るというのは、なんというか「真の大団円」に相応しいかも。実際、別冊1より本編より、一番心が震えたかも。有川さんグッジョブでした。
それにしても、図書館戦争シリーズは「小説で月9」というスタンスで書かれていると1作目のあとがきに記されていたのですが、この巻に限ってはラノベで火サス」でしたなあ(笑)。なかなか手に汗握りましたよ…まあ、犯人はなんとなく、すぐわかっちゃうんですけど、わかっててもハラハラしました。重ねてグッショブ。

★「荒野」桜庭一樹



桜庭さんには珍しく、普通のかわいい女の子が恋をして成長する話でした。と言いつつ、周囲の人は普通じゃないんですけど割と(笑)。
「私の男」みたいな、暗く澱んだ情念渦巻く話もうまいけど、こういう、少女の何気ない日常の、空気の変化みたいなものを描くのも巧いんだなあ、桜庭さんは。

★「モスラの精神史」小野 俊太郎



 なんというか感想が書きにくい本なんですが(^^:いろいろ目からウロコでした。同じ東宝怪獣映画でも、ゴジラとは随分違うカルマを与えられて生まれたんだなあモスラは。

★「O型自分の説明書」



普通こんなの読書数に入れること自体邪道なのですが、こんなのでもカウントしないと本当に冊数少ないので許して下さい(泣)いやまあ、それなりに当たっていると思いましたよO型としては(←この辺のリアクションが既にO型)。

★「幽霊屋敷の謎」キャロリン・キーン著 渡辺庸子訳



ちなみにナンシー・ドルーシリーズは、「金の星社」という児童書の会社からも出てるんですが、そっちの表紙の方がえらくラノベ寄りで、同じ作者の作品とは思えません…(^^:創元の方もラノベ寄りだけど、コレ見た後だと随分大人しく見える。