およそ半年分の読了報告

 更新はしても読了報告はさぼってたので(一応、遅々とではあるけど本は読んでた)なんと2月以来7ヶ月分の読書報告であります。ここまでで、1月からの通算読了冊数25。ここ数年ない感じの低迷ぶりです。ううう。ぶっちゃけ、感想を書こうにも中身をかなり忘れてる本もあり(泣)年はとりたくないものだ…
 

湖底のまつり (創元推理文庫)

湖底のまつり (創元推理文庫)

書影は創元推理文庫版ですが、読んだのはブックオフで奇跡的にゲットした幻影城ノベルズ版。しかもコレ、密かにサイン本だったりするのですが…ブクオフでは何の変哲もなく普通に売られてました。
泡坂さん追悼として読みました。今年は、泡坂さんといい栗本薫さんといい、惜しい方が続けてお亡くなりになり、淋しい…奇しくも、どちらも幻影城関係の方だし。
泡坂さんの詩情溢れる語り口、堪能しました。

弁護側の証人 (集英社文庫)

弁護側の証人 (集英社文庫)

まぼろしの名作、祝復刊!いや、聞きしにまさる大どんでん返しでした…と言いつつ、後半になってうすうす「これはこういう話かな?」とは感じてたんですが、それでも、改めてポイントポイントを読み返すと、その騙しの設計図の完璧さにほれぼれします。…と言っても、最近年を食って人間が横着になってきたので、最後のオチを見ても「だから何?」と思わないではないのですが(^^;そう思って読んでもこの細工の緻密さは感嘆を禁じ得ません。いやー、よかった。

絶望ノート

絶望ノート

騙しのテクニックといえば、この人も見事なもの。いやあ、えぐいお話です(笑)このネタって多分「デスノート」からヒントを得られたんじゃないかしらん?と愚考するわけですが、それにしたって上手すぎる。
真犯人は、本当にどうしようもなくて駄目で卑怯で狡くて最低な人間なのですが、それでも、なんだか哀れを誘ってしまいます。人の心が理解できない、ってことは罪なのだと思いますが、同時にとても悲しいことなのだなあ、と。
騙しだけじゃなくて、こういう深い余韻をちゃんと用意してるところが、また歌野さんはスゴイと思います。

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

小鳩くんといい小山内さんといい、やっぱり人間として何かが壊れているのね(^^;と同情を禁じ得ない感じのシリーズ最新作にして初長編。事件そのものは展開としてもオチとしても地味ですが、再びお互いを掛け替えのない「互恵関係の相手」として改めて認識し、手を携えるまでの物語――として考えると、とてもステキです。ラブストーリーというにはいささか変則的だけど、そこがまた奥ゆかしくて良い。

贖罪 (ミステリ・フロンティア)

贖罪 (ミステリ・フロンティア)

「告白」「少女」と傑作佳作を連発してきた湊さんですが、ここらあたりになると息切れを感じます…(^^:とはいえ、面白いことに変わりはないのですが。ミステリとして読む分には、いささか(というかかなり?)偶然に頼りすぎてる気が。あと、これ微妙にネタバレかもですが、ノックスの十戒とかヴァン・ダインの二十則から言うと反則な展開なような…いやまあ、ミステリというジャンル自体ががここまで多様化した現在、別にこうしたお約束に必ずしも従う必要もない訳ですが、やっぱりズルイというか説得力不足のような気が。

三匹のおっさん

三匹のおっさん

高知県(と一部の地域(^^:)ではローカル街道まっしぐらの新聞小説県庁おもてなし課」が絶好調連載中の有川さんですが、いやあ、引き出し多いなー、と思える一冊。ともかく、年齢や立場は度外視して、「かっこいい大人」を描かせたらやっぱり有川さんに並ぶ人はいないんじゃないかと。三匹の年齢に、すぐではないがそんなに遠くない未来にいずれは追いつく繭田ですが、こんな風にかっこよくなれるのなら年とるのもいいな、と思えました。亀の甲より年の功。
植物図鑑

植物図鑑

いやあ、いいなあ。出会いのシチュエーションからして、絶対に現実ではあり得ない(普通の都会暮らし女子なら、ねえ(^^:)と思うんですが、そんなことはどうでも良くなるステキで甘甘な日々。しかも美味しい野草料理のレシピ付き。
ちなみに、「イタドリ」とか、小さい頃よく食ったし、この本読んでから食べたくなって結構買うようになっています(^^:炒めると旨いのよ。

まさか2冊目が出るとは…コミックアンソロジーまで出るし。リアルタイムのマップス世代としては、この展開は涎が出るほど嬉しい限り。まんが「アマニさん」に大爆笑。

MM9

MM9

ウルトラQを思わせる怪獣小説ですが、最後のオチがひとひねりあって、かなり好きです。

実は、とある飲み会の二次会でギムレットを頼んで、その流れで「ギムレットには早すぎるね」という台詞のことを調子こいて蘊蓄語りしたのはいいけど、実はちゃんと読んでいないのに気づいたので、手に取りました…
いやあ、やっぱりクールさと熱さを併せ持ったマーロウはカッコイイです。村上春樹訳もパラパラめくってみましたけど、やっぱりこの訳がかっこよくて好きです。

決定版 秘密結社の暗号FILE

決定版 秘密結社の暗号FILE

何が面白いって、一冊の本の中でライターによってフリーメーソンについての扱いが全く違うこと。巻頭のメイン記事では、少しも後ろ暗いことのないまっとうな道徳団体のように取り上げているくせに、別のコラムではいかにもメディアにメッセージを紛れ込ませるあからさまな陰謀団体のように書いてる(^^:まあ、ムーの記事をかき集めて再録した本だから、仕方ないんですけどね。最近は、コンビニとかでこういう妖しい教養系の本がぼこぼこ買えるから面白い。
ちなみに、フルベッキ写真については、面白くまとまってて愉しかったです。この説の信憑性とか気になりますが、それを確かめるほどの情熱や根性はありません(^^:

幻獣相手にコトバを武器に調停生活――という設定に、ファンタジーとリーガルサスペンスが入り交じったような展開を期待してたんですが、かなりがっかり。「言葉を武器に」って、単なる罵倒と揚げ足取りなんだもの…まあ、リーガルサスペンス調の論理展開をラノベでやるのは、相当にハードル高い(いろんな意味で)だろうから、仕方ないとは思うんですけど。

あとは、書影のみでご勘弁を。

最強の都市伝説〈3〉

最強の都市伝説〈3〉

妖怪を科学する!(ナレッジエンタ読本21)

妖怪を科学する!(ナレッジエンタ読本21)