最近読んだ本

 年度末から年度初めにかけては流石に忙しくて、読書ペースも激減。とはいえ、読み応えのある本をじっくり読めたので満足なのです。ここまでで15冊。

機龍警察 暗黒市場

機龍警察 暗黒市場

 今回は三人の龍機兵搭乗者の一人、ユーリが主役。徹頭徹尾、ユーリがかっこよいのです。語られるユーリの過去、警官としての魂のルーツ、かつて誇りを失墜した己の過去との対決と、明かされる真実、回復される誇り…まさに「漢」のドラマ。
 機甲兵装同士の戦闘もいつもに増してエキサイティング。龍機兵の新型ではないかと疑われる「キキモラ」との激闘は手に汗握ります。前作も、前前作も面白かったけど、これはまた一段と傑作。次作・最新作の「未亡旅団」も楽しみ。

クトゥルーを喚ぶ声 (The Cthulhu Mythos Files)

クトゥルーを喚ぶ声 (The Cthulhu Mythos Files)

 すっかり「月刊クトゥルー」とでもいうべき地位を獲得した、「クトゥルー・ミュトス・ファイル」の最新刊。このシリーズの何がいいって、1冊の中に小説のみならず漫画や絵物語、様々な切り口の作品が詰め込まれたこのパルプマガジン的お得感。今回も満腹。

・「夢の帝国にて」…グロテスクだけどユーモアあふれ、しかも軌道エレベーター絡んでハードSF風味もあり。贅沢な一編。田中さんは好きな作家さんで「UMAハンター馬子」とか爆笑しながら読んだのでそういう風味を期待したのだけど、いい意味で裏切られました〜。ダンセイニ郷の創作神話を彷彿とさせるカタストロフィも、「眠れるクトゥルー」の目覚めに相応しい衝撃。

「回転する阿蝸白の呼び声」…回転寿司とクトゥルーという絶対合わさって欲しくない二つのコラボが最凶に楽しい。怖くて回転寿司食えない…変化球だけど、存在感抜群の一編でした。ところでこの話も「夢の帝国にて」も、何げに本のタイトルと同じく「クトゥルーを呼ぶ」者の物語になってるのは、意図的なんでしょうか?しかし、インスマス面になるのはイヤだけど阿蝸白は食べてみたい。

「Herald」…由緒正しいポラーという感じですが、いい雰囲気で引き込まれました。解説にあった「エロやグロも上品に」というスタンスがしっかり体現されてるのを実感。格調高し。

 月刊クトゥルー、3月は発売なかったけど、次回は牧野修さんの呪禁官シリーズの最新刊でもある模様。楽しみ。