ここまでで22冊。

 読書ペースもかなり落ち込んでいて、1月からここまでで22冊。年間50冊は難しいかもしれんな…

 すっかりクトゥルー・ミュトス・ファイルズの目玉となっている感じのある、菊地先生のクトゥルー戦記シリーズ第二弾。かなーり遅れて「ヨグ=ソトース戦車隊」読了。展開としては戦闘シーンやモンスターのキャラクター・設定どれも、菊地先生にしては地味で大人しい感じでしたが…ワケありそうな戦車隊の面々が何故邪神との取引に応じたのか…その真相が判明する終盤には胸が締め付けられました。菊地先生一流の反戦メッセージ。そして、人の心をどこまでも信じようとする、哀切な祈りにも感じました。人はどれほどその手を罪と血に染めようとも、最後は「人」であることに変わりないのだと。集団的自衛権云々暴走している昨今に読むと、本当に切実。あと、菊地先生のクトゥルー作品を読んでいると、本当に邪神が身近で人に近しいものに思えてくる。

戦艦大和 海魔砲撃 (The Cthulhu Mythos Files)

戦艦大和 海魔砲撃 (The Cthulhu Mythos Files)

 今は泣き田中文雄先生の隠れた名作を、菊地先生が加筆…!という燃える作品なのですが、故人の作品に手を加えると言うことの難しさに直面された模様。あんまり邪神様関連の固有名詞が出てこず、なんか隔靴掻痒な感じで欲求不満がどうしても拭い去れない出来。少し残念だけど、編集者様や菊地先生がさんざ悩み抜いた末のこの結果なので、文句はないです。でも、もし田中先生がご存命であったなら、twitterでも某氏が言われてましたがご本人の加筆修正でよりCMFに相応しい出来で再度世に出ていたかもしれない。そう思うと、はやすぎた作品だったのかも。でも、山本五十六はかっこいいし、プロローグに登場する御大とナイアルラトホテップの漫才(笑)や、エピローグに登場する人物のまさかの正体など、まずまず楽しみました。

魔界転生(上) 山田風太郎忍法帖(6) (講談社文庫)

魔界転生(上) 山田風太郎忍法帖(6) (講談社文庫)

 今更山風の最高傑作に触れております。上巻を読了したところ。感想は全編読み終えてから。