私的原りょう祭り、コンプリート

 前回の更新時にちらっと触れた、「私的原りょう祭り」。ついに全作品読了しましたよ。これで次の新刊が出るまで、きっと十年近く寂しい思いをすることになるとは思うのですが、それも楽しく耐えられそうな素敵な読書体験でした。

未成年が絡んだ事件ばかりの不思議といえば不思議な短編集。だけど、出てくる青少年は然程天使ではない(笑)が、未成熟な子供たちを見守る沢崎の視線がシビアなように見えて実は温かい。かっこいいです。 第一部?完結のラストにふさわしいボリュームと熱量の大作。元パートナー渡部との関係にも一応の決着がつくが、メインの事件のほかに沢崎と渡部をめぐる錦織や橋爪の暗闘も熱い。重厚な一編でした。 第二部?開幕エピソード。二転三転するプロットが手に汗握る。若干年を経た沢崎はやっぱりかっこいい。

 それにしても、次回作の沢崎さんは一体年齢いくつになっておられるのでしょうか
(笑)「それまでの明日」で事務所はお引越しされたので、また新たな街で抒情あふれるドラマが生まれると思うとワクワク。

、2巻までクインテットの猛威を傍観するしかなかったウフコック陣営の反撃だが、なかなかに血みどろで絶望的な戦い…ですが、ラストでついに!(ネタバレしてえ!)次巻からが真の反撃開始か?目が離せません。

 アニメでこの作品を知り、手に取ってみましたが、アニメはなかなか原作に忠実、原作もノワール風味の世界観を軽妙にリズムよく読ませて快作。続きも読んでしまいそう。

 古い作品なので物語の時代も舞台も古いが、そんなことを忘れてページを繰ってしまう法廷闘争の醍醐味。当時の裁判制度の記述も勉強になる。

 話題になってたので手に取ってみました。進化って、必ずしも最良の形で進んできたわけではないのねえ、と可笑しいやら諸行無常にとらわれるやら(笑)ともかく楽しい本でした。
 
 はやくも2018年も半分過ぎましたが、ここまでで21冊。久方ぶりの読書ペース。このペースをどうにか維持したいです。