今年の読書冊数は、どうにか前回更新時の目標は超えて、52冊でした。
そして、前の記事でも書いたけど大晦日に読了したのは「東京輪舞」。なんというか、平成最後の大晦日にこの小説を読み終えたのは、なんというか不思議なタイミング。
終わりゆく平成を俯瞰しつつ味わうと、切なさがこみ上げます。公安の一員として国家に尽くし続けながら、その実直さゆえに、奪われ、失い続ける生き方しかできなかった主人公砂田。その後ろ姿から浮かび上がる平成という時代の姿。それはまさに、砂田と同じように、失い続けた時代だったのだとしみじみ感じました(作品内では、もう少し異なる表現をしていますが…)。
その平成が終わりつつある今、次の時代が「取り戻す時代」となるのか、もしくは新たなものを得る時代となるのかは、我々にかかっているわけで。砂田のように、愚直に見えても誠実に向かい合うことができれば…と思います。
郷土出版ゆえアマゾンにtリンクがないので上記リンクで代替え。
古き良き時代の、高知の町が元気であったころの文化史を語るうえで、身近すぎて見落しがちな文化遺産、喫茶店やバーのマッチ。その小粒ながらも独創性あふれるデザインは、観ていて飽きません。活字が少ないので読書冊数としてカウントするのは少し気がひけましたが、貴重な読書体験であったことは間違いないので。素敵な本でした。
来年はさらに読書冊数伸ばしたいと思いますが、どうでしょう。年間52冊ということは週1冊ペースということになるんですが…これ以上は無理かなあ(^^;