4ヶ月でどうにか40冊…

 年度替わりの繁忙をどうにか切り抜けGW。本当ならここで読書に励みたい時節であるはずなのですが。今年のGWはなんか三連休が二回ある、という感覚でがっつりまとまった時間ができる感じになりにくく(贅沢?)あんまり本読めてません。ただそれでも標題のとおり4月末までで丁度40冊には到達しましたよ。何故か今頃夢枕獏さんの大長編に手を伸ばしたりしてます。

 全4巻の大長編一気読み。全てお見通しの超絶オカルティストと純朴な友人のバディ、という組み合わせはほぼ「陰陽師」シリーズと同じなのですが、何せ主役はあの空海、舞台は中国なので物語のスケールもキャラ達の立ち居振る舞いも実に雄大。兎にも角にも、獏先生が空海を好きで好きでたまらないのがビンビン伝わってきて仕方ないのです。

 こちらも大長編。全5巻。獏さんの作品の中では類型的、という評価も見かけますが、しばらくぶりに獏さんの伝奇アクションに触れた自分としては、懐かしい友人に再会したかのような感覚。これまた一気に読み切りました。でも、あのラストはちょっと悲しすぎた。だけれども、「彼」の帰還が微かに匂わされてるような気もして、とても余韻深い。

 それにしても、上記2長編、どっちも10年以上の歳月をかけて完結してるんですね。その長い年月、物語開始当初のテンションを最後まで保ち続けられるというのは本当に凄い。やはり獏さんは小説を「書く」ということが好きで好きで仕方ないのだなあ、としみじみ。

 

 本屋大賞は伊達じゃない。感情のないユンジェが徐々に他者を知り、自分を知ろうと変わっていく様が、実に自然に繊細に語られていて、微笑ましい。素敵な物語でした。

なんて素敵なタイトル。ぶっちゃけタイトル一目惚れ買いです。猫という生き物がいかに自由で、だけれども繊細で優しくて、自分自身を貫いているかが改めて認識できる一冊。うちの子たちも、日々の生活をうれしいと想いながら過ごしてくれているといいなあ。

蜜蜂と遠雷」の個性的なキャラ達にまた会える、素敵な短編の。「蜜蜂~」を読んだのは大分前なので、ちと記憶を掘り起こすのに苦労したところはあるけれども、同作の音楽描写の美しさはそのまま引き継がれていて素敵。ホフマン先生と塵くんの出会いを描いた「伝説と予感」は詩的で神話的ですらあります。

 

 こっからは、毎度ですみませんが書影のみで。