もっと読みたい!

 相変わらず年間100冊目指して読書に励んでおりますよ。しかし、最近夏の疲れが出てきたのか眠くて読書がはかどらない!それでもここまでで75冊なので、順調に行けば余裕で達成できる目標ではあるのですが。消化する予定の積ん読に読み応えのある分厚い長編なんかがいくつも控えているので、油断はできんのです。

 

 前回更新時に引き続き、宇佐美まことさんを絶賛推し中。上記三冊、全部満腹満足。どれも語り口に仕掛けがあるのですが、その仕掛けが物語の根底のテーマと密接に結びついていて、最後の感動や余韻と強く結びついている。そして、罪を犯してしまう人間の愚かしさを手加減なく描きつつ、最後は赦しにつなげていく人間賛歌。素晴らしい。

 この勢いだとどうかすると全作品制覇してしまいそう。とりあえず、今のところ文庫で新しく出たやつは必ず買ってしまいます。

 有川さん好きで猫好きの私には、ずるい!ずるすぎる!と言ってしまいそうな最高の短編集。うちの猫たちも、こんな風に私のことを愛してくれているといいのだけれど。「旅猫リポート」の外伝も懐かしくて美味しかったけれど、一番染みたのは猫が残す肉球の跡の理由が切なくて愛らしすぎてたまらない表題作。浩美と浩太が、また生まれ変わっても逢えますように。

 出ました班目機関シリーズ第三弾(違う?)。今回もなかなかに変わり種の舞台設定、そしてこれまで以上のサバイバル状況。堪能しました。でも、ラストで出てきた「あの人」については、自分がその人を忘却していたためネットでの反響ほど驚けず(涙)自分の記憶力を呪います…

東京五輪中に読んでしまうと、コロナ禍での五輪開催にもやはり黒い霧が山ほどかかっているのではないかとつい勘ぐりたくなってしまうほど生々しかったです。

 ドキュメンタリータッチ(…って言い方で合ってるのか?)の独特な語り口、その中でじわじわと忍び寄る不気味さ、謎、そしてラストの衝撃。ネタバレが怖くて詳しく書けないけど、これは…なかなか揺さぶられる。自分の周囲の空間が歪むような、一瞬で席が変容するかと思う恐ろしさ。良作でした。しかし、主人公の作家さんはなんとな黒先生ご本人と重なってしまうなあ。

 

 こっから先は書影のみでご容赦を。

 

 

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