「ぼくらの」鬼頭莫宏 (2巻以下続刊)(bk1)

姫川みかげさんのとこで知ったこのコミック、みかげさんの読む本はなんとなくチェックしてしまう癖がある俺は(笑)、つい手に取ってしまいましたが、うわーすげーやコレ(笑)。
 痛すぎ、シビア過ぎ、そして哀しすぎ…にも関わらず、反対になんか生命力に満ちあふれている。この子供達は、自分が死ぬことがわかっている。だけど、その死は『生きるための死』であり、何かを確実に生み出している。んーなんか抽象的な言い方だなあ。とにかく、傑作。
 ときに、この作品がジョージ秋山氏の伝説のSFコミック『ザ・ムーン』を相当意識しているのは明らか(物語中で子供の一人が遠回しにこの作品のことに言及してたりするし、彼らが操るロボットの名前「ジアース」の由来は「ジ・アース」で、「ザ・ムーン」と似ているっちゃ似ている)。『ザ・ムーン』のラストは救いのかけらもなく子供達はただ無駄に死ぬが、せめてこの物語の結末は、何らかの救いがありますようにと祈らずにいられません。