「怪盗ニック登場」エドワード・D.ホック 小鷹 信光編 木村 二郎ほか訳(bk1)

怪盗ニック登場 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
 短編の名手ホックの怪盗もの。ちなみに帯の推薦文はモンキー・パンチ。微妙な褒め言葉が素敵(笑)。
 ホックらしく、山椒は小粒でピリリと辛いチックなしっかりした作りの佳品ばかり。
 しかし、最後のどんでん返しを仕掛けるためだとは思いますが、依頼人を裏切りすぎです(笑)>ニック氏いやまあ、別に彼が裏切りたくて裏切ってる訳じゃなくて、むしろ最初に裏切ってるのは依頼人の方かとは思うんですが、一応客商売なんで、あんまり依頼人の顔をつぶすと依頼がこなくなるかと…
 ちなみに気に入ったのは、虚構を現実に見せるための大がかりなトリックが見事な「真鍮の文字」と、スケールがでかくてなおかつ読後感も極めてさわやかな「大リーグ盗難事件」。