ハサミ男とかZOOとか

ハサミ男 [DVD]

ハサミ男 [DVD]

原作読んでるし、好きなんですけど、読んだのがかなり前なんで細部を大分忘れています(笑)。そんな俺が観ても、原作をそれなりに尊重しつつ独自のドラマとしてより飛翔している感じがして、本当に面白かったです。密かに、つい連続で2回観てしまいました(笑)DVD入手した作品でも、これほど気に入ったのは久しぶり。原作を未読の人でも絶対に楽しめる作品だと思いますが、これ観た後で原作を読むのは、少し興醒める感じかもですなあ…(笑)理由は、双方を鑑賞した人ならわかりますよね?原作と両方愉しみたい人は、絶対先に原作を読むべし、と言いたい。
ネタバレでガンガンに語りたいくらいお気に入りなんですが、原作との関係を含め、ネタバレせずに感想を書くのがめっちゃ難しい作品ですね…
ともかく、池田敏春監督は天才だと思った。麻生久美子は迫真の演技だった。
ふと、昔綾辻さんの「十角館の殺人」ドラマ化が、オファーはあったが実現しなかった件なんかと思い出す。映像化不可能なトリックでも、上手にアレンジすればこの「ハサミ男」のようにスバラシイ作品になるのですよ。その意味で、この作品は本格ミステリの映像化について新たな可能性を与えるものとなったのではないかと思います。


ZOO [DVD]

ZOO [DVD]

なんか、乙一作品って設定や物語そのものが悲惨でも、描写そのものは抑えてあるし愉しみ方のポイントは別のところ(サプライズな結末。本格としてのロジック、伏線の妙とか)にあると思うので、あまり不快に感じたりグロテスクだと殊更に思ったりはしないわけなんですが、映像にするとなかなか、ダイレクトに不気味だなあ、としみじみ思ってみたり。「カザリとヨーコ」とか、すっげー悲惨度(笑)。zoo収録作品のうち5本をセレクトして映像化したオムニバスなんですが、ともかく、どれもいい感じだと思います。「SEVEN ROOMS」とか、市川由衣のかっこよさに萌えまくり、そしてラストで泣き。「そ・ふぁー」は、今をときめく神木くんが最高に名演技なので、これも泣き。ただ、「zoo」だけは…原作の面白さ、わかってんのかなあ、と首を傾げざるを得なかったです。ただ男が女殺しておかしくなるだけの話なら、この程度のものなんて腐って落ちるほどあるわけで、原作の「犯人捜しを演じる」という異様行動こそが迫力だったんだと思う訳なんですが…ごにょごにょ。
ともかく、面白かったです。zoo以外は(笑)他の短編も映像化して、2を制作してくんないかなあ。