マジレンジャーと末子相続

スーパー戦隊シリーズ 魔法戦隊マジレンジャー VOL.9 [DVD]

スーパー戦隊シリーズ 魔法戦隊マジレンジャー VOL.9 [DVD]

マジレンジャーを第1話からDVDで追っかけて見てるんですが、今36話まで見たところです。
ここらへんは感動の再会&十邪神降臨編。燃えます。
ところで、戦隊シリーズに兄弟戦隊はいくつかあれど、末弟がレッドってえのは珍しいわけで。
ですが、ギリシア神話とかだと、最高神ゼウスも末弟。古代には、末子相続という制度もあったようだし、むしろ神話的・伝説的にはこっちが主流っぽい。というか末っ子こそ最強?
そのあたりのことを、実際の末子相続制度と絡めて、ちょこっと考察めいたことを書いてみます。


末子相続についての説明は、知識付け焼き刃の俺ごときがくどくど書くのも恥ずかしいので、ウィキペディアへのリンクでお茶を濁しますが。


俺は密かに、とにかく後に生まれた子に家督の相続権、家長の地位の継承権が移っていく感じを連想していた(つまり、ある時期までは相続権者であった身分の者も、何かで下の兄弟が生まれたら継承権を奪われる、みたいな)のですが、別に「末っ子であること」=「権力がある」というわけではなく、上の子どもから順番に独立した家の家長として一本立ちし、財産分与を受けることが前提な様子。つまり、「ファミリーの維持」を目的とした制度ではなく、財産分与による「新たなファミリーの設立」が第一義で、末っ子による家督の相続は「たまたま最後に残った子どもが古い家を守る」、つまり「相続」は「財産分与」のオマケという認識でいいのかな…?


ですが、小津家の場合、財産分与として順番に魔力を継承しているという風に捉えようにも、最大のパワーを有しているのは末子の魁ちゃん。つまり、最大の「財産」としての「魔力」、父の有している「火の魔法力」を受け継いでいるのは彼なので、この原則には少しあてはまらないような気もしてきます。
ですがここで、パパであるブレイジェルがどうやら「火」の属性を持つ天空聖者らしいことと、お母ちゃんの深雪さんは「氷」の魔法使いであること、そして二人の間に生まれた子供達が持つエレメントの属性が一見てんでバラバラなこと――つまり、親が火であろうが水であろうが生まれる子の属性には全く関係がなさそうなことなんかを考え合わせてみます。
自分が思うのは、天空聖者ってのはそれぞれに属するエレメントはあるようだけれども、それは決して先天的で不変のものではなく、後天的で流動的なものではないんだろうか、と。たまたま向き不向きはあっても、何かの少しの違い(それが生育環境であるか遺伝的条件であるかは問わず)で変わりうるものである、と。


そしてまた。
物語内では、「月」「太陽」「火」「水」もろもろ、それぞれのエレメントを代表する天空聖者はほぼ一人しか登場しませんが、それぞれのエレメントを司る聖者は複数。
実際、「雷」のエレメントからして、メーミィさんことライジェルと、翼のパトロンたるボルジェルと、登場するだけでも既に二人いる格好だし。また、レジェンドの力を得た兄弟たちが、力が強くなりすぎて天空聖者になりかけたりするあたりを考えると、それぞれのエレメント属性ごとに相当数の天空聖者が存在しているのは間違い有りません。
そして、重ねて言いますが、天空聖者が子孫を残す場合、ブレイジェルの例に見るように、別に両親の属性がなんであろうと、子どもにはあまり関係がない(もしくは、一見なさそうに見える)。あるゆる属性の魔法力を持つ子供が生まれる可能性がある。
そこで、長男蒔人の受け継いだ大地のエレメントが、「最後に控えし緑色」と歌われているように、おそらく天空界において最強の部類に属するものだと考えると、天空聖者が子をなした場合、強い順番に異なるエレメントの属性が「財産分与」として与えられいる、という解釈もできるのでは…?
その兄弟順の「財産分与」の結果として、末子は最後に残った「家督」、すなわち父親の属性をそのまま引き継ぐのだと考えれば…末っ子魁ちゃんが「火」の属性を継承したことも、なんとなく頷けます。まあ、この親子兄弟の場合、親父が親父だけにその最後に残る「家督」――「属性」にまつわるパワーが、最終的に最強ではあったわけですが。
ともかく、マジトピアでの親から子への魔法力の継承、「末子相続」の仕組みなのではないかと、このように考えるものであります。


長々と書いた割には、大した内容ではなく、結論は「マジトピア」の魔力継承システムは地上界の家督末子相続のシステムと似通っているらしい、とかその程度のものでしかないんですが。
まあ、ふと徒然なるままに思いついたことを記してみたくみたくなったので。