遡及更新中。なので、書いてるのは11月5日です。
しばらく、読書が低調です…年間100冊は困難になってきたなあ。1年って早い。
牙狼〈GARO〉 暗黒魔戒騎士篇
posted with 簡単リンクくん at 2006.11. 5
また、この本の実質的主役といって差し支えないであろう、バラゴの運命にも、胸が熱くなりました。その意味では、この本はまるまるバラゴの挫折と救済の物語といえるでしょう。泣ける…
「図書館内乱」に出て来た、いわくつきの本です。軍隊モノが得意な有川さんに、純粋な恋愛小説が書けるのか、正直人ごとながら心配しつつ読みましたが、全くの杞憂。まあ、有川さんご自身が男らしい人(失礼)なので、もじもじそわそわしている感じのじれったい恋愛ではなく、みなさんはっきりとモノをおっしゃる感じ(笑)のお話でしたが、それはそれで持ち味として完成されているので文句なし。強く感じたのは、有川さんは「言葉の威力」というものを徹底的に肌で知り尽くしている人なんだな、ということ。主人公二人のメールでのやりとりも、各章のタイトルに選ばれている言葉も、実に切れ味と破壊力抜群。そんな言葉と言葉の応酬がお互いのココロの壁を破壊していき、最後はしっかり手を握り合う、そんなお話。
あーでも、唯一不満があるとすれば、伸のパパのお話はもう少し丁寧に書いてほしかったかも。壮絶に哀しくて切ないエピソードなのに、割とさらっと流されてる感じがして少し寂しかったかなあ。
いろんな作家さんの創作術が紹介されていますが、結局のトコ王道とかマニュアルみたいなもんはなくて、自分に合ったスタイルを見つけるしかないのね、って感じです。
それはともかく、乙一の「UTOPIA」は傑作でした。ファンタジーを書いても、やっぱりラストは乙一節。