やっと75冊

遡及更新中。なので、書いてるのは11月5日です。
しばらく、読書が低調です…年間100冊は困難になってきたなあ。1年って早い。

牙狼〈GARO〉 暗黒魔戒騎士篇
雨宮 慶太原作 / 小林 雄次著
朝日ソノラマ (2006.10)
通常24時間以内に発送します。
牙狼のノベライズにして、オリジナルエピソードばかり納めた短編集ということで、思わず手に取りました。正直、小説としては少し未完成な部分も多い気がします(文章はお世辞にも上手とは言い難い)が、牙狼の世界をぐっと押し広げてくれる名エピソード満載です。しかも、どの話もどこかしら本編とリンクし、ああ、あの後こうなったのか、あのシーンの数秒前はこんな会話が繰り広げられていたのか、とニヤニヤしっぱなし。ステキ。個人的には、生身の人間VSホラーという、本編で一度も観ることができなかった図式の闘いの幕開け「同志」が、一番心臓が躍りました。これ、長編で続編描いてくれんかなー。マジで。
また、この本の実質的主役といって差し支えないであろう、バラゴの運命にも、胸が熱くなりました。その意味では、この本はまるまるバラゴの挫折と救済の物語といえるでしょう。泣ける…

レインツリーの国
有川 浩著
新潮社 (2006.9)
通常24時間以内に発送します。
「図書館内乱」に出て来た、いわくつきの本です。軍隊モノが得意な有川さんに、純粋な恋愛小説が書けるのか、正直人ごとながら心配しつつ読みましたが、全くの杞憂。まあ、有川さんご自身が男らしい人(失礼)なので、もじもじそわそわしている感じのじれったい恋愛ではなく、みなさんはっきりとモノをおっしゃる感じ(笑)のお話でしたが、それはそれで持ち味として完成されているので文句なし。強く感じたのは、有川さんは「言葉の威力」というものを徹底的に肌で知り尽くしている人なんだな、ということ。主人公二人のメールでのやりとりも、各章のタイトルに選ばれている言葉も、実に切れ味と破壊力抜群。そんな言葉と言葉の応酬がお互いのココロの壁を破壊していき、最後はしっかり手を握り合う、そんなお話。
あーでも、唯一不満があるとすれば、伸のパパのお話はもう少し丁寧に書いてほしかったかも。壮絶に哀しくて切ないエピソードなのに、割とさらっと流されてる感じがして少し寂しかったかなあ。

暁の女王マイシェラ
マイクル・ムアコック著 / 井辻 朱美訳
早川書房 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
この本に収録されている二つめの長編、「薔薇の復讐」は、初読のときにほとんど理解できなくて、今回二度目のチャレンジなのですが、やっぱりさっぱり分かりませんでした…初訳の「夢盗人の娘」がこんな感じだったらどうしよう。

ライトノベルを書く!
ガガガ文庫編集部編
小学館 (2006.9)
通常24時間以内に発送します。
いろんな作家さんの創作術が紹介されていますが、結局のトコ王道とかマニュアルみたいなもんはなくて、自分に合ったスタイルを見つけるしかないのね、って感じです。
それはともかく、乙一の「UTOPIA」は傑作でした。ファンタジーを書いても、やっぱりラストは乙一節。