80冊はなんとか超えたんだが

現在82冊か。これはどう考えても、100冊は無理っぽくなってきました。

タフの方舟 1
ジョージ・R.R.マーティン著 / 酒井 昭伸訳
早川書房 (2005.4)
通常2-3日以内に発送します。
タフの方舟 2
ジョージ・R.R.マーティン著 / 酒井 昭伸訳
早川書房 (2005.5)
通常24時間以内に発送します。
面白いということは以前から聞いていて、いつか読もうと思っていたシリーズ。手に取ってみました。猫好きにはたまらない描写満載です。ハヴォック〜
しかし、タフさんは、解説やあちこちの作品紹介で見かけるほどあこぎではないような。たしかに金には厳しいけど、考えることはすごいマジメ。
ところで、方舟を使っていろんな便利な生物を次から次に取り出して見せるタフのキャラクターって、その体型とかも相まってドラえもんを連想してしまうのは気のせい?
ストームブリンガー
マイクル・ムアコック著 / 井辻 朱美訳
早川書房 (2006.9)
通常24時間以内に発送します。
やはり、何度読んでもこの一大カタストロフィだけはなんともいえない悲しさです。数多の「エターナル・チャンピオン」たちが、一つの魂の無限なる転生の姿なのだとした場合、最後に魂ごとストームブリンガーに奪われる格好のこのラスト。幾多の転生の旅路の全ての結末、その終焉を迎える最後の姿こそエルリックなのではないか、と思ってみたりする。そう考えると、ムアコックの作品の中でもエルリックに関するものが今でも描かれ続け、またアリオッチ(敢えてこう書く(笑))が彼を「最も愛する」と評し、他のシリーズの中ですら彼の別の顕現を敢えて「エルリック」と呼んだりしていることも納得がいく。
夢盗人の娘
夢盗人の娘
posted with 簡単リンクくん at 2006.12.23
マイクル・ムアコック著 / 井辻 朱美訳
早川書房 (2006.11)
通常24時間以内に発送します。
どきどきしながら読み始めた新シリーズ、「薔薇の復讐」が大変読んでてしんどかったので、同じような系統の話だったらどうしよう、と心配でしたが、杞憂でした。ナチス・ドイツを絡めたオカルト・アクションの風味もあって、ヒロイック・ファンタジーというよりは伝奇小説の趣。
しかし、現代(比較的、ですけど)の人間の目を通して見ると、エルリックはこんな風に見えるのかと、ウルリックの一人称を通して見るエルリックの描写は興味深かったです。
あと、今回は珍しく「混沌」だけではなく「法」の神が悪役として登場していることも、面白かった。「宇宙の天秤」が両者の均衡を司るものである以上、「法」が悪である場合もないと嘘ですからねえ。ただ、今回は「法」の女神ミッゲアが個人的?に腐敗して狂って暴走した、ということらしいのは、少し残念。個人的には、「法」が「法」である故の狂気、秩序と統制を重んじるあまりの自由への抑圧、それに対する自由と多様性の象徴としての「混沌」の反抗、というのも見てみたいのですが……
ともかく、続きが楽しみ。訳者曰く、次作では「エルリックはえらいところでえらいことになっている」らしいので、嫌が応にも期待を掻き立てられるのであります。楽しみにしてた「マルドゥック・スクランブル」の続編。というか前日譚ですが……
うわーこれまた暗黒度高いお話ですねえ。リアルに映像化しようものなら上映禁止にでもなりそうな。舞台設定こそSFですが、その語り口調はむしろノワール
結末はどうなるか、前作を読んだ人間には須く自明な訳ですが、わかっていても、ハラハラする。いや、むしろわかっているが故に、これからどんな残酷な運命が09メンバーに降りかかるのか、気がかりで仕方ない。そうした怒濤の展開の後に訪れる別離。哀しすぎるけど、決して否定できない、間違っているなどとは言えない、ボイルドの決断。やはり、3巻のラスト付近、「1」章の最後のシーンでは、ほろりときました。
しかし、ウィキペディアの「マルドゥック・スクランブル」の項目では、ボイルドの名前の由来を「ハードボイルドから」としているんですが、これは他のキャラの名前が「卵」に関係していることから考えれば、「ゆで卵」からだと判断するのが妥当だと思うんですが…まあ、「ハードボイルド」は「固ゆで卵」なんで、間違いじゃあないとは思いますが。それにしても、「マルドゥック・スクランブル」OVA制作中止は、本当に残念だなあ……