「なるたる」&「天上天下」

 何を思ったか現実逃避してコミック全巻一気読みとかやりました。ちなみに「なるたる」は「ぼくらの」をより深く理解したくて思わず購入。ちなみに、明らかに「ぼくらの」のベースで作品内でも間接的に言及されるジョージ秋山の「ザ・ムーン」もゲット済みですってどっかで前に書いたような気もするが。絶版なんですが、幸運にも近所のブクオフで全巻ゲット。
なるたる(1) (アフタヌーンKC) なるたる(12) (アフタヌーンKC)
 実はこの作品、先にアニメの方は見ていて、その際の最終回の後味の悪さと置いてきぼり感(とっても尻切れトンボっぽかったんですもの。でもまあ、それが全10話前後の深夜アニメの宿命ではあるけど)が結構つらくて、いつか原作の結末をちゃんと読めば、この感情も解消されるかと思っていたのですが…
アニメ版よりも何十倍も悲惨で救いがないじゃありませんか(号泣)
 作品の順番としてはこっちが先だけど、「ああ、やっぱり『ぼくらの』の作者さんだ」と変に納得してしまったのでした。「過酷な運命」を描くのになんの遠慮も会釈もない。徹底しすぎているが故に透明感さえ感じる残酷にリアルな世界。
 だけど、ただ。ほんの僅かだけど救いはあって。圧倒的な悪意と死と破滅があるけどその狭間にはたしかな「ヒトの生きた証」がある。読み終えた後で、「人類なんて滅びていいんだ」と捨て鉢に思ってしまう一方で、「ヒトは生きていてもいいんだ」とかすかに、ほんのかすかにだけど温もりを感じたりする。本当に不思議な作品。だけど当分再読できない。痛すぎて。

 その反動で、というわけではないけれど、セクシーダイナマイツ学園オカルト格闘アクション、「天上天下」を最新?12巻まで一気読み。
天上天下 1 (ヤングジャンプコミックス) 天上天下 12 (ヤングジャンプコミックス)
 うん、こっちは何も考えずに一気に物語に身をゆだねられる、信頼して勢いに乗れるお話ですね。(と言いつつ、読み進むと結構ハードでダークな世界観&人間関係ではあるのだけど、基本的に凪やボブとかその他のキャラがバカなまでに明るいので、バランスが保たれてる)。まあ、お色気過剰なのは少し苦手なんで、時々辟易しますが、素直に面白いです。あと、絵は超丁寧。カラーページとかあんなにエロいのに芸術的(笑)