「ガルーダ」と「ガス人間第一号」

 最近見たかった映画2本を連続鑑賞。

 
★「ガルーダ」
ガルーダ DTSスペシャル・エディション [DVD]
タイで初の怪獣映画だとか。最初にこの作品の存在を知ったのは「宇宙船」での紹介記事にて。一目惚れに近く、ずっと発売したら見たい見たいと思っていたのでした。
映像の美しさ・特撮の迫力としては、期待以上。画的には文句をつける箇所見あたらず。まあ、自分は怪獣はCGより着ぐるみが好きな人間なので、ガルーダがオールCGなのは少し寂しかったですが、緻密で立派に存在感あったので、問題在りません。
ストーリーの方も、それなりにグー。「それなり」って言ってしまうのは、前半のドキドキ感、期待感が後半で思ったほど報われないから。ガルーダという種族の謎、どうやらその他にも「神」とされる生物が随所にいて、それを狩る特殊部隊がタイにはあって…という、菊池秀行を彷彿とされるアクションSFな展開はかっこいいのに、後半、ガルーダとの市街での戦いになると、途端に説得力を失う。ガルーダが「賢くて」人間の裏をかくのはいいんだけど、どうやって手の内を読んだかが説明されないので、なんか釈然としない。そしてあっけなさ過ぎるラスト。前半から中盤が鳥肌たつほどかっこよかった(特に、魔力のこもったナイフを持つ兵士と、ガルーダが対峙するシーンなんて、手に汗じっとり)だけに、あまりに勿体ない…まあ、何度も強調するように画的には最高なので、その迫力だけで十分欠点を補ってあまりあるんですけどね。もっと面白くかっこよくできたはず、と思うと少し惜しい気が。
 ともあれ、面白い映画には変わりありません。


ガス人間第1号 [DVD]
ガス人間第1号 [DVD]
 実はこんな映画を小学生のトキから知っていた自分。駄菓子屋で売っていた東宝特撮映画のシール・コレクションのような商品の中にこの作品のスチールが含まれていたからなんですが、今考えるとどう考えてもガキ向きの作品じゃないよな(笑)
 かなり古い作品なので、科学考証が怪しいしツッコミどころも満載なのですが、ともあれ、悲恋の物語として相当に切なく美しいです。
 藤千代の最後の公演の後、抱擁するガス人間と彼女、そしてその直後訪れるカタストロフィ。まあ、ガス人間さんはどうかすると今現在言うところのストーカーさんぽくもあるんですが、怪物と化した自分の宿命を全面的に受け入れた上で、せめてもの救いを藤千代に尽くすことにのみ求めてゆくその姿は、やはりけなげ。
 八千草薫の若かりし日の姿に微妙に萌えつつ、小学生時代の思い出を反芻しつつ、堪能いたしました。