クトゥルー漬け

 最近、創土社さんの「クトゥルー・ミュトス・ファイル」シリーズに手をつけたことがきっかけで、なんだか読書傾向がクトゥルー神話漬けになってます。

ユゴスの囁き (The Cthulhu Mythos Files)

ユゴスの囁き (The Cthulhu Mythos Files)

「闇に囁くもの」へのオマージュアンソロジー。帯の「脳缶って知っていますか?」が結構衝撃(笑)「インスマスの血脈」のときもそうだったけど、どれも美味しい粒ぞろいのアンソロジーでした。
「メアリーアンはどこへ行った」…あちこちで言及されていますが、ハードボイルドとしても結構読み応えのある1編。ジェイムズさんはまるまる1冊彼を主人公にしたハードボイルドものを読みたいくらいかっこいい。
「羊歯の蟻」…まさにこれこそ和製クトゥルー神話!と叫びたくなる宇宙的恐怖に満ちた話。日本の中山間地域の持つ閉塞感は、クトゥルー神話によく合う。そしてミ=ゴが脳を集める理由までさらっと解き明かされてしまったり。納得のオチ。
「蓮他村なずき鬼異聞」は、なんか不思議な絵巻物。浮世絵とクトゥルー神話も合うという新たなテイスト、新たな発見。とりあえず僧かわいそう(笑)特に、本編と関係なさそうな新聞記事コラの、バカップルにひき殺される…ごにょごにょ。
 毎月1冊クトゥルー、っていうのはなかなか濃い読書ですが、この画期的な試み、頑張ってついて行きたいと思います。「クトゥルーを喚ぶ声」も読むぞー。
未完少女ラヴクラフト (スマッシュ文庫)

未完少女ラヴクラフト (スマッシュ文庫)

 なんとラヴクラフト御大が美少女に!という画期的なネタがのけぞる。出てくるモンスターどももしっかりクトゥルー神話にちなんでいるんですが、ジェンキンといいミゴといい、なんかゆるキャラ的になってる。なんかカワイイ、優しいファンタジーになってます。こんなクトゥルー神話も素敵です。 過去に存在は知っていたけど未読だった菊地作品、再刊されてるのを衝動買い。一気読みしてしまいました。幻魔怪奇というか虚々実々というか、どれが現実でどれが幻かわからなくなるような不思議なバトル。真っ正面から異能同士がぶつかり合うバトルとはまた違った魅力でした。なにげに、本当の意味ではこれも「未完」なんですねえ。読編は…書かれるのかしら。それよりは「ヨグ・ソトース戦車隊」を早く読みたいけど(笑)

 3月に入る前に、比較的薄い本が多いとはいえ13冊。去年に比べると快挙です。