100冊は突破…

 毎年の目標、年間100冊読書はどうにか達成できたものの、12月になって飲み会続きなどなどで読書スピードが一気に落ち、結局106冊で打ち止め。とりあえず、来年もがんばろう。ちなみに、年越し読書は市川憂人さんの「ヴァンプドッグは叫ばない」です。ちなみに、100冊目はこの作品。

 読み応えありましたわー。なかなかにB級感漂うタイトルなのに、しっかりとラストで回収されるその重すぎる意味。覆されては繰り返される怒涛の推理にもくらくら。素晴らしかったです。

 普段、この手のラブコメ系(実は違うけど)ラノベには手を出さないのですが、たまたま同僚から強く勧められて読んだら、ページを繰る手が止まらない怒涛の毒毒恋愛ドラマでした。どうしようもなく煩悩に満ち溢れて見えるけど、実はどうしようもなく優しい主人公、その彼を違う視点、違う愛し方、違う妄執で絡め取る姉妹。一瞬、「真っ黒い『みゆき』」っていう形容が思い浮かんだけど、そんなもんじゃすまない、重い、けどある意味相当にピュアな愛の物語。全4巻、あっと言う間でした。

 これまた読み始めると止まらない、いつもの月村さんクオリティ。現実の事件も上手くアレンジして絡めて、怒涛の展開。2人の半グレが辿る、全く正反対の人生。味わい深かったです。

 前作とはまた違った時代、テーマで興味深い、かつ今までにない視点からの戦記。ドイツにも、こんな風な若者たちがいたのね、としみじみ。ただ、展開の怒涛さとかアクションは「同志少女」に比べるとやや低調?前作が素晴らしすぎたが故の贅沢な文句ですが。

 ビストロ・パ・マルシリーズ、待ち遠しかった新刊。今回も、趣深い良作ばかり。コロナ禍でのパ・マルがしっかり描かれているのも、身近に感じられていい感じ。

 実は、腕貫探偵シリーズちゃんと追っかけられてないんですけど、推理作家協会賞受賞と聞いては手に取らずにいられない。表題作、受賞納得の出来でした。おぞましき真相。西澤さん、軽妙な会話と語り口の中にさらっとサイコパスな真相をぶち込んでくるのが本当に上手くてずるい。

 シリーズ途中で読むのを中断してたのですが、6~9、そして短編集を思い立って一気読み。馬場さんの過去との対決が目が離せず。

 こっからは書影のみでご勘弁。