メフィストはメフィストでも

 えっれえ違いだなあ、と。
 ネクサスのダークメフィストと、「悪魔くん」のメフィスト
 メフィストっていうのはヒトを嘲笑するトリックスターでもあるけど、人の愚かしさ醜さをどこかで愛しく思っているところがありそうな(少なくとも「ファウスト」あたりだとそんな感じ?)優しい道化めいた存在だと思うのですが…ダークメフィストことビソロギは、人を支配し虐げることしか頭になさそうだし。NRから悪に走った経緯も合わせると、むしろ悪魔で言うとルシファーあたりが妥当ではないかと。んーなことを考えつつ、24話のネクサス見直してしまいましたよ。ううん、文句つけつつも、やっぱりいいわ。セラに自分の苦しみを全てさらけ出す姫矢くん、光を取り戻すネクサス、炎の中を突き進み特攻するネクサス…はあっ(感動の吐息)。お願いだからこのままテンション下げないでくれ。
 とかなんとか、土日寝倒して元気な休日だったので、今日はいろいろと有意義に過ごしました。
「のだめ〜」最新刊まで読了したし、本2冊も読んだし、悪魔くんのDVDも観た。
 てなわけで、悪魔くん9話〜11話までの鑑賞報告です。
悪魔くん Vol.1 [DVD] 悪魔くん Vol.2 [DVD]
★第9話「吸血鬼」
 やー、昔黒人の人が吸血鬼を演じた「ブラキュラ」って映画があったんですけど、この回で出てきた吸血鬼「ドクトル・キューラ」はなんかそっち寄りで野性的なお顔つきです。間違ってもベラ・ルゴシクリストファー・リーではない。相変わらず、すぐ敵妖怪に騙される間抜けなメフィストさんが観られます。でも、吸血鬼との初戦において、彼は「正義の味方メフィスト」とか名乗っているのですよね、悪魔なのに。これは、この番組世界内ので「悪魔」の位置づけが、キリスト教における神の敵というより、地獄で罪人を罰する刑吏としての鬼に近いことを示している(そういえば、よく「閻魔大王に怒られた」とか言ってるし)ようで興味深かったです。
 それはそうと、吸血鬼の方はニンニクに弱いのはオーソドックスで可愛いと思うんですが、蛙に弱いのは意味不明です。そんな伝承、あったけか…?


★第10話「シバの大魔神
 番組前半のクライマックスともいえるお話。というのは、ここまでのメフィスト役だった鈴木義男氏が病気のため降板することになり、この10話で地獄大使じゃなかった潮健児氏に交代するのですが、これは今まで活躍していた兄メフィスト(鈴木氏)がシバの神殿での戦いで法を破って(なんか、シバの神殿では魔力使うのは御法度らしい)禁固刑になるので、代わりに弟メフィストが役目を引き継ぐ、という格好になってるのです。なんか、仮面ライダーの1号から2号への交代劇を思わせる、ストーリー上違和感を感じさせない演出。この辺って東映お家芸なのでしょうか。で、この話では兄弟メフィストが協力してシバの大魔神とそれに使える預言者ザンパに戦いを挑むのだが、兄メフィスト悪魔くんのピンチに際しじっとしていられなくなり、「魔力をつかわなけりゃ問題なし」と出て行き、結局止むを得ず魔法を使ってしまう。そうして、地獄の兵隊に罪人として引っ立てられるときの爽やかで誇らしげな表情ときたら!かっこよすぎですが、悪魔くんへの友情の深さをも示しています。
 ちなみに、この回はセットも豪華で、スフィンクスを彷彿とさせるデザインの大魔神も大迫力。
 いろんな意味で気合いが入っているのを感じました。


★第11話「幻の館」
 弟メフィスト単独での初妖怪退治。潮氏の容貌が鈴木氏に比べてシャープで凛々しいせいか、妖怪との殺陣も真剣勝負っぽくて渋めです。妖怪は、絵画に宿り魂を食って不老不死を得ている妖婆ってことで、ドリアン・グレイを思わせて怪奇ムード満点。
 ちなみに、エレキギターを弾きながら召喚されるあたり、若さを意識した演出なんでしょうか。
 いろいろ、雰囲気が前回までと変わってます。