「新・世界の七不思議」鯨 統一郎(bk1)

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)
 ひさびさに読みました鯨作品。しかも、「邪馬台国はどこですか?」の姉妹編ですよ。いやあ、面白いです。本編の推理は無論のこと、どう考えても採算が取れないのに異様に充実しているバー「スリーバレー」の設備とメニューも(笑)今回のネタは世界史編ってことで、ピラミッドやアトランティスノアの方舟なんかの謎を推理するのですが、何故か宮田さんが「世界史に全く知識がない」という前提で議論と推理がなされるため、前作に比べるとより推理そのもの、宮田さんの洞察力と論理的思考力が先鋭化して描かれている感じ。でも、前作でイエス復活の謎とか推理してるんだから、そんなに世界史に無知だというのは、少しおかしな話なような気も…でもまあ、人を煙に巻くのが得手な宮田さんのこと、敢えてしらばっくれて道化を演じている可能性もあるような。
 マイフェイバリット収録作は、シリーズ幕開けに相応しく驚きの視点を披露してくれるアトランティスの謎や、古代人の知恵に心から敬服するピラミッドの謎とか。