「涼宮ハルヒの憂鬱」谷川 流

 読み始めてまず舌を巻いたのは、この作者さんがこの作品を描いたとき、すでに三十路回っていたはずなのに、こんなにも瑞々しい高校生が描けるのか、ってことでした。とにかくイキがいい。しかも、高年齢者が若年層に媚びて書いてるような不自然さが全くない。しかも萌えに特化してキャラを立たせ、そういう層(笑)のハートをキャッチすることも忘れない。やー、こりゃスニーカー受賞するのも当たり前かなと。
 ところが、読み進めていくと、存外に量子力学的なというか存在論的なというかスゴイ仕掛けがある。もう、脱帽のヒトコトです。
 でも、このハルヒシリーズって、もうかなり続きが出てるんですよね。こういうスゴイ仕組みのお話なのに、そんなにも長く続けられるもんなんでしょうか。少し心配。読んで確かめろと言われそうですが(笑)

涼宮ハルヒの憂鬱
谷川 流 / 谷川 流〔著〕
角川書店 (2003.6)
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