昔の特撮は面白い

いや、今の特撮も無論面白いわけだけど。やっぱり、CGとか使ってない時代の生々しい感じとか、職人芸な感じとかが、時折とても愛おしく感じるわけで。そんなわけでDVD感想一気にいきます。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ [DVD]

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ [DVD]

いやー、この時代の東宝特撮映画を観ていると、愉しみつつも結構ツッコミどころがあってそれもまた味わい深し、という感じなんですが、この作品についてはまるでいじったりからかったりできる隙がまるでない。どこまで広がってるんだろうと思うような広大な都市のセットとミニチュアは極めて緻密で手を抜いているところがまるでなく、ストーリー展開も無駄がなくしかもわかりやすく、そして深い。まあ、敢えて言うなら「フランケンシュタイン」って名前ついてても本家フランケンシュタインの怪物との共通点が人造人間である以外全くないことくらいで。サンダとガイラは言葉を喋らない。にも関わらず、着ぐるみの動作と演出で、兄弟どころか分身であるはずの二匹が次第に敵対し憎み合ってゆく悲しいドラマがきっちり表現されている。演出といえば、ガイラの恐怖についての演出もかなり秀逸で、船の真下の海面からガイラが顔をのぞかせている描写なんかは、本当にコワイ。実は、そんなに期待して観たわけではなかったんだけれど、想像以上に素晴らしい作品でした。殺獣光線車カコイイ。水野久美様、マタンゴでの毒婦役とはうってかわって知性的で上品な女科学者役(コメンタリーでのトークによると、水野さん本人は毒婦役の方が好きだったそうだが)で、芸域の広さを感じます。
ちなみに、DVDの映像特典には、当時作られたサンダを主人公にした絵本「怪獣ジャイアントサンダ」の画像が朗読付きでついてますが…本編からの飛躍逸脱ぶりに大笑い。そーかそーかサンダは正義の味方か。まあ間違いじゃないけど。

んー、ゴジラそっくりの設定で、ありがちなデザインの恐竜さんですが、んー。んー。いやあ、古いという意外にあんまり価値を見いだせない作品でしたねえ。科学考証もストーリーもぐだぐだ。アゴンが大量の麻薬を喰ったらどうなるか、と科学者が言ったら、横から刑事が「おそらく死ぬでしょう」って、何故素人の貴様が専門家相手にそんな断定的な口を利くか。
アゴンの着ぐるみ、いっつも口開けっ放しで間抜け面だし、まあ、ミニチュア・セットだけは精巧でしたが、出てくる登場人物みんな大ボケさんばっかだし。まあ、結果にはつながってなくても努力だけは認めましょうといった風情の映画。

SAMURAI 7 第12巻 (初回限定版) [DVD]

SAMURAI 7 第12巻 (初回限定版) [DVD]

ついに最終巻一歩手前ですよ。相変わらずカツシロウは何かにとりつかれて凝り固まってますが(ゴロベエさんが出て来たときは、こいつの勝手を叱ってくれるかと期待したんだがなあ…)、それでも指揮能力・戦闘力ともに壮絶にレベルアップしているので、その点は褒めてあげなくては。そして、コマチぼうと婚約(笑)のキクチヨ。最終決戦に向けて、人間ドラマもより深まりますが…キララちゃんが惚れておるのは、カンベエさんなのか?カツの字ではなくて?割と気づいてなかった俺は鈍い?

巌窟王 第8巻 [DVD]

巌窟王 第8巻 [DVD]

伯爵ってばアルベールくんに正体を明かすのかと思ったら、そういうわけでもないのですねえ。だがしかし、彼が去った後のあの邪悪きわまりない哄笑。ついに本性を現したか…と思いつつ、アルベールとの別れ際に見せたあの哀切な目は、お芝居じゃないよね?これまでの交流の中で、伯爵の復讐計画には一部の狂いもなくとも、アルベールに対する思いやりだけは、ほんのかけらでもいいから本物の部分があったのだと信じたい気持ちでいっぱいです。
伯爵だけでなく、エデとかフェルナンとか、今回は人相ががらっと変わる人多いですね。
ここから更に崩壊が加速すると思われますが、アルベールは救われるのか…?ああ、やっぱり続きが気になるっ。