「拷問者の影」ジーン・ウルフ著 岡部 宏之訳

拷問者の影
拷問者の影
posted with 簡単リンクくん at 2005.12.19
ジーン・ウルフ著 / 岡部 宏之訳
早川書房 (1986.10)
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うーん…やっぱりウルフは難しい……としみじみ感じました。序盤、セヴェリアンが追放されるあたりまではかなり面白く読んだのですが、旅に出てからはさっぱり何が起こっているのかわかんない。まあ、主人公にして語り手のセヴェリアン自体が何がなんだかよく事態が掴めないまま状況に振り回されているみたいなので、読んでいる方もわかんなくなるのは当然なのか。結局、どういうことになっているのかわかんないので、ググって出て来たストーリーの紹介サイトを読んで、少し読み返して、ようやく事態が飲み込めた次第。うーむ頭悪いな俺。面白いかどうかといわれると、その設定や世界観には唸らされるけれど、途中の展開には、先述のような事情もあって、素直に楽しめない感じ。まあ、ウルフはサクサク読ませるというよりは何度も読んで考えて、という鑑賞の仕方を強要してくるタイプの作家さんなので、当然っちゃ当然か(さりげなく自己弁護)。物語にドライブ感はないし、語り口に安定感もない。だけど、その読んでいてクラクラする感じとか、セヴェリアンの職業の暗黒っぷりとか、癖になりそうではあります。疲れるので、すぐには次に取りかかれそうにないけど(笑)