「間違いの悲劇」エラリー・クイーン 飯城 勇三訳

間違いの悲劇
間違いの悲劇
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.13
エラリー・クイーン著 / 飯城 勇三訳
東京創元社 (2006.1)
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クイーン最後の長編プロットと、未収録短編のセットっていうことでかなり期待しましたが、未収録短編は、ちとどれもいまいちでした。小粒なダイイング・メッセージものを立て続けに読むと、なんか子ども向けのなぞなぞの本を読んでいる気になってくるのと、ぶっちゃけこんなに死ぬ人死ぬ人メッセージとか残す人ばっかりな訳なかろうとか(笑)大人げないツッコミをいれたくなります。「間違いの悲劇」プロットは…これだけでは今ひとつ理解しきれない部分もあって(有栖川さんが執筆断念したのも分かる気が…)、なんとも言えないのですが、散りばめてあるキーワードはやはりクイーン作品に相応しくロジカルでペダンティック。見る限り、結末の意味不明瞭な部分もなんだか後期クイーン問題とつながっていそうで、本当にきちっと小説にまとまっているのを読んでみたかったと心底思います。北村薫さんとか、「ニッポン硬貨〜」に続いて執筆してくれないかしらん。