全部感想を書く時間がないので、とりあえず読了報告+一言感想程度に。
読んだのは講談社ノベルズ版なんですが、画像がないので寂しくて(笑)
どこまでが創作で、どこまでが虚構で、どこまでが現実かわからない構造にくらくらしつつ、解決ではかなりしっかり謎解きがされてて、感動。さすがは歴史に残る傑作。とめどない蘊蓄の奔流やぎらぎらした登場人物達の造形を見るにつけ、若さのエネルギーってやっぱり何事にも替えがたいものだよな、と年取った自分が心底悲しくなった。
サクサク読めて、おどろきの展開。折原一さんなんかの作風の源流を見た気がします。だけど、登場人物はあんまり魅力的でないかも。
太田忠司さんのデビュー作。一人七役という驚きの趣向ですが、少し強引な気も。だけど、こんな大技はこうでもしないと実現不能かも。
前評判どおり、しっかり館シリーズの新作として仕上がってるのに感動。人間関係やトリックを含めた真相のエグさも、ラストの後味の悪さもホラー風味なところも、綾辻節全開。イラストも怖くて作品世界にマッチしてるし、たしかにこりゃーガキが読むとトラウマになるわなあ(笑)。それでもやっぱり、本気で「館」シリーズとして読むと物足りないけれど、そこは児童モノってことで。
法月さんが怪盗モノ?ってことで、少し身構えたんですが、良い意味で法月さんの作品であることをすっかり忘れて読みふけってしまいました。いやあ、物語はエキサイティング、論理はアクロバティック。怪盗ニックについて語られる下りがあったりするあたり、ミステリ全般に造詣の深い法月さんらしいなーと思いました。