数字としては縁起が良いものの、結局90にも届かず。悔しいけど、まあここ数年では最多の冊数ではあります。時期によって本を読む時期と読まない時期の差が極端なのが、敗因かな…
先日お亡くなりになった、根強い人気の作家さん。今まで、名前は知っていたけど、手に取る機会にはなかなか恵まれなかったのですが、創元での「館」三部作復刊に合わせて読んでみました。
むー、なんともいえない、不思議な読後感。複雑な人間関係と「館」という舞台仕立てのオーソドックスな本格かと思いきや、芸術論から犯罪論、そして双方を絡め合わせた「芸術としての犯罪論」と、霧の中にどんどん引き摺りこまれるかのような、言葉の迷宮の中に導かれ。そして最後に判明する犯人も、論理的な推理と分析の結果と言うよりは、すごくシンプルないくつかの事実の指摘によって突然立ち現れる感じ。そしてその動機も、なんだか哲学的というか非現実的というか。
なんとも不思議な、独特の感覚でした。そして、登場人物達の性格や雰囲気はなんか少女漫画的。女の子はみんな夢見がちか、もしくは家庭的お姉さん的。
ともかく、面白かったです。あとの2冊も読んでみよう。
ハマースミスのうじ虫
posted with 簡単リンクくん at 2006.12.31