八嶋観柳斎死す!(「新選組!」)

 新選組、基本的には毎週見ているんですが、怠け者なのでついつい感想書くのはサボってしまいます。
 ですがたまに、先日の山南切腹のときみたく、心が動いて動いて、書かずにおれないエピソードというのがあって、昨日放送の「観柳斎転落」も、まさに俺にとってそれでした。
 もともと、八嶋さんは古畑で準レギュラーとして出ていた頃以来、あの変幻自在のキャラクターが大好きで(小男なのも、なんだか親近感が持ててグッド。って俺の方が背が5センチほど低いのは秘密だ!(爆死))、新選組出演が決まったときも「さすがは三谷さん!わかってらっしゃる」と快哉を叫んだものでした。そして彼の高慢ちき演技ときっちりはまっている観柳斎キャラ。嫌なヤツだが憎めない、小物ぶりが愛をも誘う、最高にキュートな人物像に萌え萌えでした。
 ですが、あんなキャラですから、きっとまともな死に様ではあるまいと(実際、史実での死の経緯は実にみっともない感じ)思っていました。きっと、泥にまみれた無様な屍をさらす事であろうと、そう予想していたのです。
 ところが・・・こんな小物(悪口にあらず)の死まで、ここまで感動的に盛り上げますか三谷さん!
 本気で誠の武士になると、ならねば死ねぬと、最後の最後に一匹の誇り高き獣と化したあの死に様よ。
 予測しない方向からの攻撃に、予想外の涙を流しましたよ俺は!
 だけど、これと次回予告での近藤の台詞「坂本さんを死なせる訳にはいかん!」を聞いて、改めて認識しました。
 三谷さん、自分の好きなキャラと役者に最高の死に様をさせること、史実なんか無視してエンターティメントに徹する事しか考えていませんね?幕末という舞台仕立ても、新選組という歴史に名を残す人々の存在も、彼の世界観を完成させるための道具にしかすぎなくなっている。これまでいくつかの作品が、大河ドラマというブランドの元で、評論家や視聴者にあげさげされてきましたが、三谷さんの場合は、大河ドラマという大枠ですら、彼のやりたいことを叶えるために奉仕する踏み台でしかない。
 いや、ベタほめですが、きっと間違ってはいないですよね?この見方。
 一部の、古くから形式に固執する大河ファンはともかく、「本当に面白い物語」を求める視聴者には、三谷さんの目論見は伝わっているはずだと思う。
 番組も年末に向けいよいよ終盤、最後までおつきあいしまっせ!