山口貴由作品2連発

 待ちに待ったシグルイ3発売です!喜び勇んで読みましたよ!でも、あの表紙は若くてカワイイ女性書店員に見られたくなかったぞ!フンドシなんて嫌いだ!


シグルイ(bk1)
シグルイ 3 (チャンピオンREDコミックス)
 物語のプロローグで語られた「御前試合」での無惨な藤木・伊良子の姿に向かって、いよいよカタストロフィが加速します。ああ、どいつもこいつも変態ばっかし(笑)。
 一冊全部お仕置き残酷ショー。そのため、展開としては大きいものの物語の進度は小さい感じ。
 でも、今回は仕置きされる伊良子その失脚のきっかけとなった虎眼の愛人いく、そして仕置きする虎眼が中心のお話しのため、主人公?藤木は影薄し。だが、この巻ラストでの藤木の形相からは、次巻以降の狂気・暴走が十分予測されるので、続きに期待。


でもって、もうひとつ山口作品。


☆悪鬼御用ガラン(bk1)
 んー、いつもの山口先生らしからぬ雑なタッチ。あと、言いたいことはわかりますが、あんまり直接的に言い過ぎ!(笑)。まあ、たまにはこんな作品もあっていいでしょう。だけど、「更生不可能な悪」の存在を語り、性善説に真っ向から喧嘩を売りながらも、終盤にはセンチメンタルに「人の皮をかぶった天使」に言及するあたり、人の醜悪さを描きつつも最後まで人という存在の価値を信じようとする山口先生らしさは健在で少し安心。やっぱりこの作品は、後書きで言われているとおり山口先生の心象風景なのですね。


 あと、そういえば「スパイラル」の感想も忘れていましたので、この機会にやっつけますー。


☆スパイラル&スパイラル・アライヴ
スパイラル―推理の絆 (12) (ガンガンコミックス) スパイラル・アライヴ 1 (ガンガンコミックス)
 面白いです。先日ちらっと書いた様に、序盤の変に本格ミステリ的お約束に縛られたお話しから、ブレード・チルドレンとの闘争や彼らの存在についての謎解きに展開が絞られてからは、結構息もつかせぬ展開で、ページを繰る手が止まらない感じ。
 …なのですが、最新刊まで読み終えてみると、いささか物足りないというか、「なんだかなあ」という感情が残ります。ブレード・チルドレンの正体についても、総論賛成各論反対というか(笑)。へーと感心しながらどっかで「なんか大ざっぱやなー」とか「少しちゃちいなあ」、とか思っている自分がいます。あれですね、天才という存在が山ほど出てくる割に、なんかその人たちが天才に見えないという(笑)。「神様」と表現される鳴海兄についても、なにがどう神様なのか説得力があんまり…ひょっとして、彼が探偵役を務める外伝小説とかを読めば納得がいくのかな?ですが個人的には、本編で足りてない伏線や厚みを別のもので補完、というのは好きではないのです。
 まあ、良い意味でも悪い意味でも、少年漫画ってところでしょうか。