「ルカ−楽園の囚われ人たち−」七飯宏隆(bk1)

 珍しく積読せずに買ってすぐ読みました。リーダビリティ最高。そして、物語の根底部分と直結してなおかつ、読者にも全ての流れが手に取るように把握できる叙述形式。これは一種の発明ですねー。スバラシイ。ただ、全体に横たわる切なさとか「泣き」については、自分自身が最近いささか飽きてきているので、あまり心は動きませんでした…といいつつ、あの絶望と希望が優しく絡み合うラストでは、やっぱり泣きそうになりました。滅びは人の運命なのか。それでも人の心は残るのか…余韻ひきます。