「一角獣をさがせ!」マイク・レズニック著 佐藤 ひろみ訳

「キリンヤガ」でマイク・レズニックを他にも読んでみたくなったのですが、少し前に古本屋で買って積んでいたのを思い出したので、発掘して読んでみる。
 コメディタッチで、出てくるキャラクターも「不思議の国のアリス」を思わせるようなひねりと存在感のある連中が続々。なので、ファンタジーとして楽しむのが本道かと思いきや、真相や巨悪を舌で丸め込んで手玉にとるところなど、なかなかに正当派ハードボイルドな味わいも見せてくれます。そう、主人公マロリーは、登場時こそ情けない三流探偵ですが、癖のあるキャラに振り回され、いろんな危機にさらされ、いろんな生き様をみるうち、本当のタフガイになっていく(戻っていくのです)。このあたりも、いくつかの有名なハードボイルドもので描かれている駄目男の「再生」の物語っぽくて、かっこいいのです。あと、個人的には横山えいじさんの表紙イラストも雰囲気あってしかもスタイリッシュで素敵だと思います。BK1にもアマゾンにも画像がないのが残念。

一角獣をさがせ!
佐藤 ひろみ / Resnick Mike
早川書房 (1990.12)
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