ガリレオの幸せな結婚

東野圭吾の「探偵ガリレオ」がフジの月9でドラマ化と聞いたときは、正直「何で今頃?」と思いました。何年か前に買って積んでたうちの1冊だったんですが、他の人から聞く作品の感想から考えるに、とてもじゃないが月9で扱うような雰囲気の話じゃない(^^:
とはいえ、興味はあるので、ドラマを先に観てしまいましたが、結構福山演じる湯川先生もキャラ立ってるし、ミステリとしては小難しい(^^:ネタをしっかり面白く見せている。こりゃ、原作と比べてみなくてはと、積み読消化兼ねて読んでみました。

★「探偵ガリレオ東野圭吾



原作を読むと、ドラマの方が月9仕様(笑…ヒロインが勝手に付け加えられてたり、湯川先生がモテキャラになってたりと)にかなりアレンジされていることがよくわかりますが、原作のポイントをしっかり押さえつつ上手に脚色してあるのに感心。このドラマ化は、良い原作と良いスタッフの巧いコラボになってると思います。幸せな結婚、って感じ。
でもまあ、常々あちこちで言ってるように「名探偵は性格が悪くないとダメ」という嗜好を持つ私にとっては、原作のマジメな学究徒湯川より、学問オタクで傍若無人で口が悪いドラマの湯川の方が点数高いのでした(笑)。あと、ドラマは福山の湯川と柴崎コウの掛け合いが巧いですね。リズム良好。


ちなみに、仕事が忙しいにもかかわらず、意外にも読書は調子良いです。
現在、96冊読了。100冊も目前だ!


★「心臓と左手」石持浅海



「人柱は〜」に「Rのつく月〜」と、日常の謎系?が最近多くて、ハードな設定と推理を期待する俺としては少しだけ物足りませんでしたが、今回は「月の扉」の「座間味くん」が探偵役の短編集だけあって、テロやらカルト教団やら、なにやら剣呑な謎がてんこもり。謎としては少し小粒だし、解決も若干強引な感じも否めませんが、十分堪能しました。特に、沖縄の米軍基地をめぐる状況と事件の謎が綺麗にリンクし、なおかつ美談がリアルでえげつない真相によって逆転する解決が見事な「沖縄心中」が最高。


★「カオスレギオン 聖戦魔軍篇」「カオスレギオン0 招魔六陣篇」冲方






冲方作品のうち、まだ未読だったシリーズに手を付けてみました。若干昔の作品なんですが、そのせいか「マルドゥック〜」や「〜シュピーゲル」あたりに比べると、萌え要素が強かったり毒が薄かったり、若い読者に優しく描かれている面が見受けられますな(^^:。それでも、キャラを平気で奈落に突き落とすダークなストーリー構成はやはり冲方節の面目躍如。堪能しましたが、続きが長いので、読み進むのを躊躇しています。うーんうーん。