今年の読書総数は結局…

81冊でした。
来年は目標100冊!だがしかし予定は未定!死ぬまでに積読読切れない人生に向けて爆進中です…遺言作るときは、本の引取先を決めておかなくては(縁起でもない)。

裏切りの月に抱かれて (ハヤカワ文庫FT)

裏切りの月に抱かれて (ハヤカワ文庫FT)

ファンタジーとミステリの融合、或いは現代を舞台にしたファンタジーはいろいろあれるけれど、このくらい人狼や吸血鬼、妖精がご近所にいそうな雰囲気のモノは珍しいのではないでしょうか。そして、主人公がコヨーテに変身するというのも(^^:
この主人公の、人外のものではあるが決して強くない生物、という設定が、人狼や吸血鬼、魔術師といった周囲の脅威(味方もいるけど)との間に駆け引きにつながり、ドラマを生み出しています。そのあたりの雰囲気が、なかなかにサスペンスフルで、ファンタジーとしては勿論、ミステリ(とりわけハードボイルド)として読んでもなかなかに素敵。
ラブロマンス部分が俺のようなむさ苦しい野郎には鼻についたものの、かなり面白かったです。ジャケ買いの珍しい成功例。

儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴

暗黒版「青年のための読書クラブ桜庭一樹)」といった趣の、小説及び物語への偏愛を楽しむ短編集…いや、帯のふれこみだと、この本の真価はそんなところにはないんですが(^^:。
「ラスト一行の衝撃」にこだわった短編集ということではありますが、個人的に衝撃を受けたのは冒頭の「身内に不幸がありまして」と2本目の「北の館の罪人」くらいで、あとはある程度予想が付いたり、最後の一行が「衝撃」というより「ほっと安心」だったり、必ずしも帯の表現は正確ではない気もします。しかし、ラスト一行云々はともかく、全体に背筋が凍ったり戦慄したり、もしくは乱歩もしくは正史テイストな世界観を堪能したり、短いお話の中にみっしりお楽しみが詰まってます。
しかし米澤さん、こんなおどろおどろな作風もクールに書きこなしてしまうのね(^^:本当に痺れますわん。