「恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近!」(キャプテン・フューチャー全集1)エドモンド・ハミルトン著・野田 昌宏訳(→bk1)

恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)

 やっと読了。知らなかった、キャプテンフューチャーって本格推理だったんだ!(笑)
 いや、真面目にハードにスペースオペラとして読むと、60年以上前の作品なので、科学的な知識とか設定がいささかチープに感じられて、少し厳しい感じもするし(それでも、第二次大戦前後の科学知識で、ここまでバラエティに富んだ世界観や小道具の設定を作り上げる事ができる想像力には、感服するしかないのですが)、ちょっとキャプテンフューチャーことカーティス青年をはじめフューチャーメンが妙に言葉遣いが悪かったり(笑…これは翻訳のせいもあるのかもですが。ちなみにサイモン先生は除く)、慣れるまでしんどかったのですが、その波瀾万丈で飽きさせないストーリー展開は流石。
 それより何より、冒頭で申したように、密かに本格推理になっていることに気づいて大ウケ(笑)
 少なくともこの一冊に収まっている2つの長編は、正体不明の悪役ボスキャラが登場するのですが、その正体をめぐって、カーティスくんは結構緻密な推理を展開するのです。しかも、しっかり特定の容疑者がいて、アリバイや些細な手がかりから犯人を絞り込んでいき、ラストでやっと正体がわかる。「暗黒星〜」に至っては、しっかりトリックまで用意されている(笑)いやーもー楽しいのなんの。ヒロインのジョオンがちとお馬鹿で萌えないのは問題ですが、それをさておいても十分楽しむ方法を発見してしまいましたよ。やー、次巻も楽しみ。