100冊必殺読破!

 先日から、2020年の読書冊数100冊目指して自身の読書ペースに一喜一憂しておりましたが、どうにかッ!年内に100冊!到達いたしました!いやー、達成感あります(笑)その100冊が全て自分の血肉になったかと問われると、記憶力も薄くなってきて微妙なところはあるのですが(^^;それでも100冊は100冊。来年もこの調子でガンガン読書していきたいものです。

というわけで、本年の100冊目はこちら。 

偶然にして最悪の邂逅

偶然にして最悪の邂逅

  • 作者:西澤 保彦
  • 発売日: 2020/12/10
  • メディア: 単行本
 

 西澤先生、作家生活25周年おめでとうございます。もうお年も還暦が近づこうというのに、この論理のアクロバティックのキレと倒錯エロ描写の熱量はどうですか(笑)。一篇一篇が濃ゆい短編集。実は自分、加齢のためかめくるめく論理展開に頭がついていけなくなっているところがあって、恥じ入る次第…先生より一回り以上若いはずなのに。もっと頭を鍛えねば。 

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

 

 年齢を感じさせないキレ、という意味ではここに日本ミステリ界最高峰の方が(^^;このミス1位を祝っての衝動買い衝動読みでしたが、いやあ濃密。時代背景をうまく生かしたトリックと伏線、作中で繰り広げられる映画うんちくにもきちんと意味がある!登場人物たちの動きも心情も戦後の青春群像を生き生きと描き出していて、いや、辻先生の現役っぷりをまざまざと見せつけられました。美味しかったわあ。 

100文字SF (ハヤカワ文庫JA)

100文字SF (ハヤカワ文庫JA)

 

 100字で果たしてSFが描けるのか?!とジャケ買い。というか表紙から100字で作品(笑)市場にあふれた珠玉の100字作品群、サクマドロップスの缶を残り何粒かと惜しがりながらしゃぶるかの如き読書感覚。素敵でした。 

公務員という仕事 (ちくまプリマー新書)

公務員という仕事 (ちくまプリマー新書)

 

 村木さんは高知出身なので、以前から郷土の有名人として誇らしく感じてはいたのですが、そのお仕事の足跡は私たちが今まさに日常業務の中で向かい合う種々の困窮者支援、ジェンダーに関わる組織の改革とがっつり関わっていることを知り、より一層尊敬の念を厚くしました。公務員なんて、もしかしたら大きな社会のうねりの中では歯車でしかないのかもしれないけど、それでも確かに目の前の問題に立ち向かう力は与えられているのだと、そう背中を押される感覚を頂ける一冊でした。感謝。 

猫の扉 猫ショートショート傑作選 (扶桑社文庫)

猫の扉 猫ショートショート傑作選 (扶桑社文庫)

  • 発売日: 2020/02/02
  • メディア: 文庫
 

 完全にジャケ買いですが、猫好きにはいろんな角度から楽しめる、しかも古今東西で有名なあの話の原型がしっかり拝めるし、猫文学の歴史をぎゅっと圧縮したかと思えるような稀有な一冊であります。お気に入りは、高貴な猫との不思議なご縁が素敵な岸田今日子さん「暖炉の前で聞いた話」と、やはり本格ミステリ読みとしては上手い!と膝を叩くラヴゼイ「イースター・ボンネット事件」。 

不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

 

 不惑に達しても相変わらず不運で体を酷使してる葉村さん(笑)NHK「ハムラアキラ」を見て以来、どうしても脳内で映像がシシド・カフカさんで再生されてしまうのですけど、台詞回しも立ち振る舞いもやはりぴったりだと思います。セカンドシーズン切望。頭で映像再生しながら読めたことも含めて、楽しい1冊でした。不安だけど楽しい葉村さんの冒険。 

福家警部補の追及 (創元推理文庫)

福家警部補の追及 (創元推理文庫)

  • 作者:大倉 崇裕
  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: 文庫
 

 表紙絵の福家さんも素敵な文庫版。事件の展開も面白いけど、福家さんの密かな究極超人ぶりがツボにはまります(笑) 

コルトM1851残月

コルトM1851残月

 

  月村さんは大好きな作家さんですが、多作なので流石に全冊は読めてなく、ちょこちょこ以前の作品を掘り出して賞味しているのですが、なんですかこのかっこいい時代劇は。時代劇なのにハードボイルドでノワール。いや、これは大藪春彦賞に相応しいわ。「羽衣」も読まなくては。 

ガンルージュ (文春文庫)

ガンルージュ (文春文庫)

 

  これも月村さん。手にとった理由は上記に同じ。ですが、これまたノンストップで突拍子もない設定なのに忘れて読みいる筆力説得力。ほとんど腕力に近い引力を感じながら一気読み。ちなみに、ハードボイルド読みなら絶対にやにやしてしまう美晴の元カレの設定も素晴らしい。いや、なんか作家さんを超えたコラボとか夢想してしまいますよ。一応別人だからがっつり絡むのは無理だろうけど。そのへんも含めて贅沢な一作。 

カード・ウォッチャー (ハルキ文庫 い 18-1)

カード・ウォッチャー (ハルキ文庫 い 18-1)

  • 作者:石持 浅海
  • 発売日: 2014/07/01
  • メディア: 文庫
 

  労働基準監督署のお仕事は、監督する側から描かれた話はいくつか見たことはあるけど、逆の視点から読むのは新鮮。企業って大変。それをさくっと読みやすいミステリにしてしまう石持さんはやっぱりすごい。

 

 

 こっからは書影のみでごめんなさい。 

 

 

  今年も残すところ10日を切ったわけですが、大掃除の合間を見つけて変わらず読書に励みますよ。あと1回、年内に更新できるといいなあ…