実写版「悪魔くん」3話〜5話

 目指せ水木しげる東映モノクロ特撮ファンサイト(嘘)。
 しかし、きっと全話レビューしちゃうぞこの勢いだと。結構連日見入ってるし。
 多分若干のネタバレしますので、予備知識なしで鑑賞を予定している人は注意です。

第3話「ミイラの呪い」
 ミイラ男の肉付きがやけに良くて健康的なこと以外は、雰囲気満点。
 ただの生きているミイラでなくて、訳あって封印されていた邪悪な人物で、様々な魔力を駆使して襲い来るあたり、ハムナプトラの先駆といえるかも。それにしてもやっぱりメフィストは馬鹿です…相変わらず小学生ごときに手玉にとられすぎ。しかもすぐ戦いを放り出したがるヘタレです。でもなんか、憎めないんだよなあ。
 そして、1話の間にミイラの襲撃と巨大化とエジプト行き、やはり超展開でスケールでかい。セット凝ってる。
 しかし、メフィストったら悪魔のくせになんで太陽を使った攻撃とかしますか。「闇を祓え」とか言いますか。ほんとに悪魔らしくないす。*1


第4話「大海魔」
 悪魔くんの家族構成が改めてしっかり把握エピソード。そうか、悪魔くんのパパはタクシー運転手なのか。船を沈めたり巨大化したり、スケールのでっかい攻撃を仕掛け来る大海魔は、海を汚した人間への復讐を口にする。海を干上がらせるという鬼畜にしてモーゼ顔負けの魔力で海魔を倒すメフィストは、今回少し妖怪を倒す悲しみを滲ませ、大人っぽいです。そういや、悪魔くんの家族との馴染み方といい、処世術も抜群で、かなり知性派なところを見せつけまくりです。こんなに如才ないあなたが、なぜ小学生相手だとああも大ボケオヤジと化しますか。ときに、彼がエロオヤジであることも判明。いろいろと発見の多いエピソードでした。


第5話「ペロリゴン」
 なんか、至極まっとうな怪獣映画的展開。暴れる大食い怪獣ペロリゴンの遊園地破壊と、悪魔くんと級友達のチェイスが中心で、今回はあまり超展開ではありません。ちなみに、ペロリゴンのことを旧知であったらしいメフィストさん、今回はやけに好戦的で前向きです。そういえば、今までヘタレな素振りを見せた時には、「弱点がわからないとどうしようもない」とか、相手が未知の存在であることを気にしてる感じがします。計算高くてある意味戦略家である、とも言えるのかも。


 しかし、このころの東映ってお金持ちだったのでしょうか。30分枠の子供向け番組なのに、着ぐるみといいセットといいミニチュアといい、手を抜いている様子がほとんど感じられません。すごいなあ。これだけ心血注いで製作されてたのに、視聴率がふるわなかったらしいというのは少し悲しい。

*1:この辺で思ったのは、メフィストってひょっとして、『神の敵』としての悪魔でなく、霊鬼と訳される意味においての「デーモン」、すなわち自然界の荒ぶる力の具現、人格化したものじゃないんだろうか、なんて思ったり。そうすると、別にその力が闇のものや邪悪なものとも限られないんだろうし、本気になると壮絶な魔力を駆使できるのに、変に人間くさかったり間が抜けているのも少し納得。