1〜3月に読んだ本

 

機龍警察 火宅

機龍警察 火宅

 2016年最初の読書はコレでした。長編とはまた違う、普段は見ないような視点からの描き方が素敵な短編集。お気に入りは、特捜部のメンツも一応家庭ある一個人(^^;であることを思い出させてくれる、宮近警視の奮闘エピソード「勤行」。宮仕えの辛さにシンパシー感じてしまいましたよ。娘さんにいいとこ見せられて良かったね。闘うパパはかっこいい(笑)
掟上今日子の推薦文 (講談社BOX)

掟上今日子の推薦文 (講談社BOX)

 掟上今日子さんシリーズ2冊目。今度は長編ですが、全く長さを感じないリズム感の良さ。犯人なんかは、ドラマの方で見て知っていたわけですが、それでも楽しめました。 コミックの方については、自分の評価としては微妙なんだけど、コレは面白かった〜。京極さんがおじいさんキャラになっているところとかは、どうなんだろうと思わないではなかったけれど、「殺人探偵」綾辻さん格好良すぎだし、異能アクションのみならず本格ミステリとしてもきっちり作られていて、なんという贅沢な一冊であったことか!綾辻探偵と辻村さんのコンビの活躍は是非また見たいです!

 あとは書影でご容赦を。

 とりあえず、三ヶ月で5冊ですか。1月はなかなか好調だったのですが、2月で一気に減速。理由は、何故か「フルーツバスケット」全巻を衝動買いして読みふけってるせいだったり、最近眠くて夜の読書がまともにできないせいだったりしますが、頑張ります。

結局

 前回の更新以降、あまり冊数をのばせず、計19冊。20冊に届かず。

だれもが知ってる小さな国

だれもが知ってる小さな国

 有川さんの最新作は、佐藤さとるさんのコロボックル物語へのオマージュ?…しかし、その物語の切り口は、やはり有川さん一流の善悪を一言で括らない寛容さ、優しさに満ちているのでした。コロボックル達の世界は小さな国かも知れないけれど、この作品に内包されたテーマは大きい大きい…人を、自然を、世界をつなぐ、大きな大きな「輪」。この世に生を受けたことに感謝せずにいられない、グローバルなラストでした。如何せん、自分は
コロボックル物語」の原典を読んでいなかったのが勿体なかったかなあ(^^;
命売ります (ちくま文庫)

命売ります (ちくま文庫)

 これまた、三島由紀夫の作品を一切読んだことがないのに、怪作との惹句に捕まりジャケ買い。ごめんなさい。たしかに怪作。サスペンスなのか、ファンタジーなのか、ミステリなのか分類に困る(^^;ラストはちょっとかわいそう…
掟上今日子の備忘録

掟上今日子の備忘録

 ドラマを見てからのこれまた邪道な購読動機…(^^;原作は原作で面白かったですが、今回のドラマ化が「幸福な結婚」であることがよく分かります。ミステリ部分はかなり原作に忠実に再現しつつ、ドラマ独自の展開を深めるべく様々なアレンジを加えている。ちなみに、ドラマの最終回は泣きました。切なかったー。ガッキーの今日子さんはなかなかにはまり役だと思いました。小柄でないことを除けば(^^;
最新 禁断の異次元事件

最新 禁断の異次元事件

 コレを読書冊数に入れるのはどうかと思いつつ…(^^;火星ネタはちとこじつけが過ぎるような気がします…

 2016年は、もう少し読書冊数のばしたいなあ…毎年同じコト言ってますが(^^;

8月〜10月に読んだ本

 お久しぶりです。相変わらず季刊ペースの更新(笑)でもまあ、この三ヶ月は比較的本を読めましたよー。それを上回るペースで積ん読も増えてるけど(笑)

明日の子供たち

明日の子供たち

久々の有川さん。発売当時に買っていたけど、テーマの重さに腰が引けてしまい、約1年間積んでました。しかし、いざ読み始めると、そこは変に押しつけず自然体で重たいテーマもすっと入る有川節は健在。サクサク読めました。飾らないが故に、ダイレクトに胸に来る子供達の苛烈な過去や現実に涙しつつ、しっかり現実路線でどこまで何ができるのか、光を示す展開に安堵。その一方で、しっかり有川さん一流のラブコメ路線もしっかり織り込まれているところがくすぐったかったり可愛かったりしてもう、なんだか美味しい(笑)これまた、続篇読みたくなる読後感。
キャロリング

キャロリング

 「明日の子供たち」読了の勢いで、これまた積んでいた作品に挑む。帯の惹句では奇跡の連鎖とか歌ってますが、存外にヘビーな展開。「奇跡」というよりは、登場人物達の苦闘が実を結んだ素敵な着地、という感じ。密かに、赤木ファイナンスの面々がお気に入り。有川作品には珍しく、ややノワールな風味もあり?ともかく面白かった。それにしても、「違う世界」に育った主役達が、その壁を乗り越えて互いに触れあわんとする展開は、「明日の〜」とも共通していますな。
神狩り (角川文庫)

神狩り (角川文庫)

 実は、この後に紹介する牧野修さん「月世界小説」を読むために、予習として手に取りましたが…これが山田正紀さんのデビュー作だとは今まで知らなかったです。恥。神の存在を暴くという、途方もないテーマに真っ正面からデビュー作から挑むなんて、山田さんどれだけ天才。圧倒されるばかり。
月世界小説 (ハヤカワ文庫JA)

月世界小説 (ハヤカワ文庫JA)

というわけで、「神狩り」を経て満を持して読んだわけですが、面白かったー!言葉とイメージを武器に神と闘うという展開、その見事な料理っぷりと息もつかせぬ展開は、ある意味「神狩り」を超えていると想いました。
完璧な夏の日〈上〉 (創元SF文庫)

完璧な夏の日〈上〉 (創元SF文庫)

完璧な夏の日〈下〉 (創元SF文庫)

完璧な夏の日〈下〉 (創元SF文庫)

 世界の戦争の歴史の影には超能力者達の隠れた闘いが…という燃える設定にも関わらず、能力者同士のバトルがさらっと流され、かつ歴史との関係性があまり密接でない(なんでこの設定にした?)ので、今ひとつ。
蒼穹のファフナー ADOLESCENCE (ハヤカワ文庫JA)

蒼穹のファフナー ADOLESCENCE (ハヤカワ文庫JA)

蒼穹のファフナーEXODUS」2期放送開始前の予習として読みましたー。うーむ、さすがはウブカタ先生自らのノベライズ、面白かったです。
空の境界 未来福音 (星海社文庫)

空の境界 未来福音 (星海社文庫)

 久々のらっきょ。同人誌として発行されているから仕方ないが、全体的に同人くささが鼻につくような気が…上手く言葉にできないけど。面白かったけど。

 もう2015年もあと2ヶ月を切ったわけですが、ここまでで15冊かあ。エンジンかかるのが遅かったから仕方ないのか(^^;20冊は越せると想いたいですが、どうなることやら。多分次の更新は年末(笑)

5〜7月に読んだ本

 前回の更新で、もっと読書のピッチを上げたいとの宣うたにも関わらず、結局月1ペースしか読めてない(^^;まあ、1冊そこそこ分厚い(初出時は文庫本4冊)大作に手こずったせいもあるのですが。もうちょっとなんとかしたいようー。…まあ、元凶は、何故か急にマクロスF全話を見返したくなったり、サムライ7一挙放送の鑑賞にかまけたりと、いろいろな誘惑に負けてたせいもありますー(^^;ここからは本気出す。出したい。出せますように(願望)。ここまでで7冊かあ。

鋼鉄の黙示録 (創元SF文庫)

鋼鉄の黙示録 (創元SF文庫)

「アポカリプス・ナウナウ」という原題の不思議な響きや、問答無用にド派手そうな帯の惹句につられてジャケ買いしましたたが、惹句ほどは大暴れでもなかったし、英米及び日本ではかなり使い古された感じのある伝奇SF設定。だけれども、ひねくれ主人公のバクスターをはじめ、なんだか憎めないキャラたちの躍動感が素敵。獣道気取ってる感じのバクスター、実はとっても素直な青少年。しっかり成長してくれて、好感持てました。そういえば南アフリカのSFといえば、セカンドシーズンが作られないまま頓挫したドラマ「チャーリー・ジェイド」を思い出すねえ。本作品の作者も「チャーリー」。でもって、並行宇宙の話も出てくるし、なんとなくシンクロシニティ?(こじつけ)しかし、「チャーリー・ジェイド」の続篇がないのは残念すぎるなあ…

 実は、「クトゥルー」という言葉を知ったのはこの作品でした。当時は、文庫本全4巻そろえられなくて、何故か4巻だけ読んだのですが…。いやあ、懐かしい。そして、大人になってから読むと至極真面目なスペースオペラ&ハードSF。だがしかし、邪神がなんか人間寄りで、しかも割と弱い(^^;倒し方はなかなか主人公達が愛と勇気と知恵を振り絞り、きっちり真っ当な科学知識を駆使してくれるのがまあ読み応えあるっちゃあるんだけど、邪神を「決して理解できないほど深遠で巨大なもの」「得体の知れない恐怖」
として捉えてきた自分には、どうも違和感がありすぎる。…が、この作品がなかったらクトゥルー神話が今のように気軽に多様性を持って様々な作家に描かれることもなかったのかも知れないし、その功績はやはり大きいと言わざるを得ません。面白かった。

 司馬遼太郎が作り上げた幕末の英雄像がいかに一般に流布するイメージを歪めてきたかがよくわかる1冊。逆に言えば、それだけ司馬遼太郎という作家がスゴイということではあるのだろうけれど。

 ちなみに今読んでいるのは、相当遅れて有川浩「明日の子どもたち」。買った後、テーマの重さにひるんで読まずに積んでいたのでした。普段は有川作品はすぐ読む主義なのだけど。

1〜4月に読んだ本

 とてもじゃないけど「最近読んだ本」なんて書けやしない(^^;

満願

満願

 このミス1位どころか3冠獲得は伊達じゃない、米澤さんの多才さ、底力に感服するしかない短編集。古典部シリーズや小市民シリーズとはまた違う、大人の本格ミステリといった趣。堪能しました。一番印象に残ったのは、蠱惑的で光景がくっきり浮かんできそうな耽美的な雰囲気としては、邪恋とも言うべき美しき姉妹の甘い罠「柘榴」、伏線の緻密さと人間の負の部分の描写が相まってなんとも言えぬ読後感を残す、「夜警」「満願」でしょうか。
世界堂書店 (文春文庫)

世界堂書店 (文春文庫)

 購入したまましばらく積んでいたのだけれど、「満願」で米澤さんの多芸多才さに触れ、その原点が垣間見えるかなと思い手に取りました。実に多彩で濃ゆいアンソロジーでしたが、濃すぎて読み終えるのに異様に時間がかかった(笑)。割とシュールで、「奇想」という言葉がぴったりな短編ばかりでした。
語ろう! 555・剣・響鬼 【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】

語ろう! 555・剣・響鬼 【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】

 これまた読むのに異様に時間を要した、濃ゆーい一冊(^^;「剣」は実は最初の方しか見てないけど、555と響鬼は大好きなので、堪能しました。しかし、虚淵玄さんのインタビューが、明らかにほとんど鎧武のことしか喋ってないのは面白かったけど、まあ番組終了のタイミング的に仕方ないかなと。話は趣深かったし。 菊地先生、クトゥルー戦記の次はウェスタンとは、どこまでも神話の可能性を押し広げてくださる。自分は西部劇に詳しくはないですが、その俺でも耳にしたことがある有名人がこれでもかこれでもかとゲスト出演してくださる、大変贅沢な1編でした。ですが、もの足らないので是非続篇か、「シノビ」さんを主役にスピンオフをお願いしたい…と思ったら、もう企画中か(^^;流石菊地先生。惜しむらくは、乾いた西部が舞台なせいか、魔道色がやや希薄な感じだったのが残念。

 さて、4ヶ月で4冊とは、なかなか近年希に見る不調です(^^;これからmりかえしていきたいですが、現在読んでいるのはチャーリー・ヒューマン「鋼鉄の黙示録」冒頭からなんだかキナ臭い、南アフリカのSFアクション?楽しみです。

2014年の読書は…

 結局、年間31冊で打ち止め(^^;秋からこっち、本業が忙しく読書ペースが相当に落ちたので、冊数伸びませんでした。だけど本は買ってしまう(^^;また積ん読増える。ますます我が家の積ん読本を一生のうちに読み切れる可能性が減少していきます。ちなみに、年越し読書は「このミス」1位をはじめ三冠の米澤穂信さん「満願」。

魔空零戦隊 (The Cthulhu Mythos Files)

魔空零戦隊 (The Cthulhu Mythos Files)

 クトゥルー戦記三部作完結編。迫力でした。次はクトゥルーウェスタンとのこと。楽しみすぎです!

クトゥルフ少女戦隊第ニ部 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

クトゥルフ少女戦隊第ニ部 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

 萌え少女とクトゥルーのコラボのみならず、進化と滅亡を巡る一大ハードSFスペクタクル。堪能しました。しかし、マナミの正体はまさに大どんでん返し(^^; うーん、個人的には続篇期待したいなあ。これだけ個性的な魔法少女たちが登場するのに、これだけで終わってしまうのはもったいない。

懲戒の部屋―自選ホラー傑作集〈1〉 (新潮文庫)

懲戒の部屋―自選ホラー傑作集〈1〉 (新潮文庫)

世にも奇妙な物語」で収録作の「走る取的」が映像化されていたので、思わず読みたくて手に取りました。いやあ、ドラマの方も面白かったけど、迫力で言うと原作の勝ちですな。その他の収録作も、理不尽さ全開。やっぱり、人間「理由なく襲いかかってくるもの」「意味がわからないもの」には言いしれぬ恐怖を憶えるモノなのだなあ。

 …来年は一体何冊読めるのだろうか。去年はちなみに29冊だったので、ちょっとはマシか。

最近読んだ本

 相変わらず邪神漬けの読書履歴(笑)。そればかりなのも寂しいので、ちょこちょこそれ以外の本も読んでます。ここまでで28冊。

 毎月コンスタントに出版され続けるのでやや息切れ気味にようやく追いつく感じで読了。

倉阪鬼一郎さん「闇の美術館」…ページを繰るのが怖くなる、重く暗鬱な恐るべき一編でした。オチは、「回転する阿蝸白の呼び声」にも通じていて味わい深い。「回転〜」を読んでいるとにやりとする一文もあり。

積木鏡介さん「マ★ジャ」…最後に判明するタイトルの意味に爆笑。そう来たか!!しかし、本編の展開自体は不可解な殺人事件の謎解きのサスペンスと、夢の世界を巡るファンタジー風味の冒険がクロスオーバーする緻密な構成で、至極シリアス。面白かったけど、唯一不満があるとすれば、この話の這い寄る混沌様はちょっと負け組で情けないのでがっかり。
 トリックスターとしての完全存在であるナイアルラトホテップを好む自分としては、少し残念…だけれど、このお話の魅力を損なうものではないので、これはこれで面白い。

友野詳さん「闇に彷徨い続けるもの」…ゲームブックブームのどストライク世代ではあるのだけど、社会人になってからは遠ざかっていたので、どうかすると20年近くぶりのプレイ。主人公が冒険や戦闘を重ねるおなじみの形式でなく、「輝くトラペゾヘドロン」そのmのとなり時空を超え地球や宇宙の歴史に干渉していくという、深遠な展開が素敵。trueENDには割とすぐ到達したのだけど、もの足らなくて4〜5回プレイしてしまった。これでもまだ経験してないルートがまだある様子。折りを見てまたプレイしたいなあ。

クトゥルフ少女戦隊 第一部 (The Cthulhu Mythos Files)

クトゥルフ少女戦隊 第一部 (The Cthulhu Mythos Files)

 単なる魔法少女モノとクトゥルーのコラボに止まらず、少女であることにもクトゥルーであることにもがっちりしたハードSF的必然がある。スゴイ作品。無論戦闘シーンも迫力満点で、あっという間に読み切ってしまいましたよ。第二部が待ち遠しすぎです!

トラウマ日曜洋画劇場

トラウマ日曜洋画劇場

 小さい頃、水野春郎や荻昌弘さんの解説に理解できないながらも心ときめいてました。懐かしい。うちは貧乏で映画館連れて行ってもらえなかったので、映画といえば洋画劇場だったんだよなあ。

オカルト「超」入門 (星海社新書)

オカルト「超」入門 (星海社新書)

 古今東西のオカルトネタに関する基礎知識と検証がぎゅっと詰まった貴重なハンドブック。