最近、室井佑月さんのブログが異様に活発で、しかも怖い話で盛り上がっているということを、面白いサイトを見つけたよ。さんで知る。実は室井さんの小説なんて読んだことはなく、せいぜいテレビに出てるのをお見かけするくらいですが、ブログでの怖い話は素直に面白かった。
なので、日常雑音ネタがペットロスばっかになってしまうのもなんだし、怖い話でもして気晴らしをすることにします。
さて、あれはもう20年近くも前、俺が中学2年生のときの頃。
当時の俺にとってはラジオの深夜番組は結構重要な娯楽で。夜ベッドに潜り込んでからオールナイトニッポン聞きつつ寝入る、なんてこともよくあったのでした。これ伏線。ちなみに、当時の俺は霊感が強いのか強くないのかはわかんないけど、よく金縛りに遭う少年でした。
その夜、俺はラジオと本屋で買った超廉価版ウォークマンを枕元に置いて、普通に寝ておりました。この日はラジオ切ってましたけど。
で。朝の4時頃、不意に目が覚めて。その途端、とてもいやーな気分になった。割とこういうとき、俺は金縛りに遭うのです。なんか、「うああ、来るぞ来るぞ」、みたいな不快な予感がある。
案の定。
きーんと耳鳴りがして、金縛り。だけどこの日のは格別長くてきつくて、俺は心底恐怖に震えた。
それでも、早くどっか行けと祈っているウチに時間は過ぎて、そのうち金縛りは解けた。
だけど震えが取れない俺は。とりあえず、音楽でも聴いて恐怖を紛らわそうと、ボロウォークマンに手を伸ばして、再生ボタンを押した。
すると、
「…ンふふふふふふふふふふふ…」
男の、低い声で、笑い声。
聞こえたんです。
真っ青になった俺は、ウォークマンをストップさせ、ラジオをつけた。今度は普通にオールナイトをやってて、パーソナリティが誰だったか忘れたけど、普通に馬鹿話をしてた。俺は少しだけ安心して、一緒に笑っているウチに寝入ってしまった。
で、朝。
深夜(というか早朝)に遭遇した恐怖の余韻を振り払いつつ、俺は怪奇現象を味あわせてくれたウォークマンを見た。
金縛りの恐怖に動転して、何かテープに入っていた音声を聞き違えたのではないかと、確認したかったらしい(うろ覚え)。
ところが、結果は全く逆になった。
その低性能ウォークマンには、自動巻き戻しやオートリバースがついていない。
テープの片面が終わってしまうと、自分で入れ替えない限り終わりっぱなしなのである。
テープは、完膚無きまでに最後まで行ききっていた。
つまり、俺が再生ボタンを押しても、ヘッドホンからは何も聞こえたはずはないのである。
じゃあ、あの声はどこから聞こえたのだろう??
怖い体験は他にもあるけど、あんまりオチがない。オチがあって記憶がはっきりしているのはこれだけか。
でもまあ、客観的に見るとそう怖い話でもないですねー。お粗末様でした。