「猿来たりなば」エリザベス・フェラーズ 中村 有希訳(bk1)

猿来たりなば (創元推理文庫)
 フェラーズ祭り第二弾(笑)。まずは、フェラーズ再評価のきっかけになり、このミス入りも果たしたこの作品から。いやー、猿の誘拐殺人(殺猿か)とかちょっとおふざけなキャラたちの雰囲気から、軽く見ていましたが、なかなかどうしてがっちりした本格ですよ。ユニークなばかりでなく、論理的に美しいトリックと真相。どちらもが名探偵で、どちらもが必要な部分の推理を補い合っているトビーとジョージのコンビも斬新で好感(まあ、最終的にはジョージが真の名探偵ってことになるんでしょうが)。大好きな作家の一人になりそうです>フェラーズ
 軽妙なタッチの中村訳もグッジョブ。翻訳物とは思えないリーダビリティーです。