2月末の時点で20冊を超えたので、なんか3月の間にはどんなに少なくとも30冊読了を果たさなければならないような気分になり、もりもり本読んでます。
でも、こういう風に義務感に囚われ始めると、少し「読書の楽しみ」からかけ離れ始めるので、良くないと自分でも思うんだけどなあ……本末転倒というか。
まあ、仕事が年度末を前に嫌でもバタバタするので、ここからは読書量減るだろうな。
嫌な季節です。
とりあえず、つまらなくはなかったけど、毒々しい血の流れる大人である俺には、少し物足りないお話でした。
わが身世にふる、じじわかし
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3. 4
相変わらず、嫌みなところの全くない、謙虚にして包容力のある奥様のキャラと、その手料理の数々がいい感じです。謎としては小粒だし、推理として必ずしも論理的でない部分もありますが、そこはまあご愛敬。
ただ、語り手である小説家「ぼく」のキャラクターは、年齢と照らし合わせるといささか幼児性が勝ちすぎてキモいかも(^^:いや、事件を持ってくる河田警部もセットだけど。会話としてはテンポよくてカワイイのだけど、これを50前のオヤジ二人が口にしているところを想像すると少しビジュアル的に厳しい…。
まあ、男はいくつになってもガキですし、だからこそ、そんな彼らを何の文句も言わず包んでくれる奥さんの性格が際だつんですがね。
それはともかく、警部は奥さんに絶対惚れてると思う。あと、「ぼく」の収入と働き具合から考えて、やっぱり奥さんが専業主婦でいられて食っていてるのはリアリティを欠いてるような気が(^^:重箱の隅つつきですが。
島田御大のミステリー創作に関係した質疑応答集&講演記録。以前から御大がおっしゃられていることと、主張にゆらぎがないので、再確認といったところと、現在の位置の確認という意味で、いい一冊でした。特に昨今のファンタジーブームを踏まえて、これからはファンタジーとミステリーの融合がいける、と言われてるあたり、本格にしっかと足場を置きつつ時代の要請に応えようとするプロ意識が感じられて、密かに感動。
キリスト教は同性愛を受け入れられるか
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3. 4
それはともかく、興味深く読みましたよ。「同性愛」を「悪」とみなしてきたキリスト教全体が、いかに時代の流れに揉まれ、ホットな議論を尽くしてきたかが、具にわかります。
が、読了してみて思うのは、最終的にはやっぱり、「同性愛」否定派と肯定派はおそらく永遠に平行線のままなんだろうなあ、という虚無感。
どちらの思想にも、両極端の結論がある。肯定派は、ヒトはどんな性指向を持っていようと神の下で平等であり、愛と善を成すことが出来ると。否定派は、聖書に書かれていることは絶対であり、時代や社会の変化に左右されるものではなく、聖書の中ではっきり「悪」と記されている以上、同性愛はどこまでも罪であると。その両端の間に、どこまで聖書の内容を尊重するか、もしくはどのように解釈するか、段階に応じて無限に立ち位置がある。実際にキリストがまた復活して結論を示しでもしない限り、この両端が結びあわされることは決してないのだろう(無理に結び合わせる必要もないだろうが)。
ただ、個人的には、神がヒトを創造したのならば、そこまで許されざる罪だと規定するのならば、なんでわざわざ同性でしか愛し合えないような人々を作るんじゃ、というツッコミ的視点と、キリスト教の本質は「異邦人の受容」であるという視点(この表現はこの本の中の一文の受け売りですが)から、歩み寄るのはやはり否定派の方であるべきだと思います。って、クリスチャンでもない、むしろ無神論者である俺が何を真剣に論じてるんだって感じですが。とりあえず言っておくと、同性愛者でもありませんが(笑)。