今のところ好調!

2019年も明けてはや2週間経過しているわけですが。今年は例年になく読書が好調。

本日1/14時点で、8冊読了。ここから先、同じ読書ペースで一年間続けるのは難しいとは思うのですが、それでも2018年の52冊は超えられる可能性も高そう。がんばりたい。とりあえず1月中に10冊は超えたい。

 

モリアーティ秘録〈上〉 (創元推理文庫)

モリアーティ秘録〈上〉 (創元推理文庫)

 

 

 

モリアーティ秘録〈下〉 (創元推理文庫)

モリアーティ秘録〈下〉 (創元推理文庫)

 

 キム・ニューマンはドラキュラ三部作積読なので(^^;初体験でした。表紙の雰囲気などからはシビアでクールで格調高いピカレスクロマンを予想していたのですが、ずいぶんとまあ、はっちゃけたお話(笑)。火星人が出てきたり(笑)、タイムボカンにでも出てきそうな「ギリシャ蛟竜」が暴走したりとか、どうかすると宮崎駿版の「名探偵ホームズ」みたい。いやあ、楽しみました。そして、語り手のモラン大佐はスケベで下品(笑)で愛嬌がある。

 モリアーティものとしては、「憂国のモリアーティ」を愛読してまして、そっちとつい比べてしまうのですが、ぶち込まれた他作品のキャラクターや世界観の量ではこちらが圧倒的。自分は読書量も知識も少ないので、どうしても注釈から元ネタを追いかけることしかできないのですが、もし元ネタ把握してたらすごく楽しめただろうなあ。ちょっと悔しい。

 

真実の10メートル手前 (創元推理文庫)
 

  ジャーナリストである大刀洗万智が探偵役である故の、世界の在り様を冷徹に見つめる視点。どの話も読んでいて苦々しく、胸が潰れそうになる短編集。

一番悲しくなったのは、ものすごい身勝手な大人の都合で死すら汚された高校生カップルが哀れすぎる「恋累心中」。

人間の虚栄心が招いた空虚な死と、それに胸を痛める高校生。彼の心を救うために自ら泥をかぶるかのように言葉を投げかける大刀洗さんが厳しくも果てしなく優しく感じる「名を刻む死」。

 どれも印象的だけど、どの話にも共通するのは、「真実」「正義」という言葉の、あるいは人を救おうとする行為の、いかに手を伸ばそうとも届かないときは届かないという人としての、ジャーナリストとしての「虚無感」「無力感」じゃないかと思いそれでも「真実をサーカスにしないために」苦闘する、大刀洗さんの姿はとても気高く感じます。

 

神様

神様

 

  この短編集所収の「離さない」という話が「怖い!」とtwitterで話題になってたのを見て、気になって手に取りました。川上さんは初読の作家で、勝手に恋愛小説系の方かと(「センセイの鞄」とか)思ってましたが、なんとも幻想的でシュールな作風。好みかも。「神様」と「草上の昼食」に出てくる「くま」はとても可愛らしく、ぜひ友達になりたい。 目当てだった「離さない」は、たしかの怖い!!…が、最後のトドメの一言よりは、人魚に魅入られた二人の妄執がさりげないやりとりの中で交差する瞬間の、なんでもない描写。そう、怖いのは人魚でなくて魅入られてしまった人間の姿の方だったり。

 

どこに転がっていくの、林檎ちゃん (ちくま文庫)

どこに転がっていくの、林檎ちゃん (ちくま文庫)

 

  冒険に次ぐ冒険、復讐譚というけれど、読んでいていまいちピンとこない。

 主役ヴィトーリンが受けた屈辱について、あんまり詳しく語られないので、なんでそこまで許せないのかもよく分からない。そして、その状態で混迷極まるロシアの戦場にどうかすると収容所にいたときよりキツそうな思いまでして舞い戻りたいのか、本当によくわからない。よくわからないまま転がるように物語に引っ張られていき、虚無感と脱力のラスト。解説を読んで初めて、この物語が評価された背景が「ドン・キホーテ的」展開が歓迎される時代にあったと知り、納得。とりあえず、ヴィトーリンはいい人だと思う(笑)

 

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
 

  先崎さんといえば「3月のライオン」監修のイメージが強いのだけど、しばらくお見かけしないうちに、そんな苦境と闘っておられたとは。飾らない、淡々とした筆致で語られる治療と回復に向けた日常の積み重ね。まさに、薄皮をはぐようにゆっくりと、しかし確実に良くなっていく様子を読んでいると、一緒に暗いトンネルから明るい出口に歩いているような感じでした。といっても、本当に先崎さんの辛さがわかるわけではない、他者は決して理解できず想像するしかない病気が「うつ」なので、これは僭越なのかもしれませんが。

 少なくとも、うつという病気との向かい合い方がひしひしと伝わってくる一冊でした。ただ、ここまで回復されたのは、先崎さんに「良くなりたい」「復帰したい」という強い意志と、そのために自身の病を理解して一歩ずつ進んでいく力があったからで、他の患者さんが同じようにやって回復できるかは別問題なのかもしれません…が、少なくとも、うつ病という病気との正しい付き合い方の具体例なのではないか、と思いました。

 

麒麟児

麒麟児

 

 歴史の教科書には必ず出てくる、江戸を戦火から救った勝海舟西郷隆盛の会談。

その裏側に、こんなヒリヒリするように切迫した交渉と情報戦が隠されていたとは。

派手な合戦シーンもチャンバラもないけれど、両者、両陣営が繰り出す言葉が刃のように鋭く光る、手に汗握る闘い。そして、陣営は違えど国と民を思う志を一つとする、勝と西郷の友情。彼らを巡る状況が、もう少し彼らに味方したら、日本の歴史はもっと違ったものになっていたかもしれないと、ひしひし感じました。素晴らしかったです。

 

日本懐かしプラモデル大全 (タツミムック)

日本懐かしプラモデル大全 (タツミムック)

 

 ロボダッチとかアオシマのオリジナルロボとかメガロ・ザマックって、本当大好きでした。メガロ・ザマックは実はアニメがあるんじゃないかと当時思っていた(笑