宿願果たせり?

 俺は小学生時代には既に古くてマニアックなものが好きな特撮オタ予備軍だったので、友だちに借りて読んでいたアニメ雑誌の一角に、レトロな特撮作品のビデオ化なんてお知らせが載ると血が沸き立つのを感じていた。その際強く「観たい」「入手したい」と強く願った作品は大人になってからあらかた願いを叶えてしまったが、ソフトそのものが滅多にビデオ屋に並ばなかったりあまり生産されてなかったりで邂逅が果たされなかったものもいくつかあり。
 そのうちの一つに、モノクロの実写版「悪魔くん」があったのだが、このたび全話収録のDVDを入手!もう、にやにやしっぱなし。
 早速、2話まで観ましたよ。うひひ。
悪魔くん Vol.1 [DVD]
 まず、悪魔くん登場の一話から感想。やっぱりメフィストが初召喚される洞窟のセットは雰囲気あって素敵です。初戦を飾る妖怪ガンマーのデザインも、水木しげるさんが妖怪図鑑によく描いているものに忠実でイキのいい造形が素敵。だけど、フツーの小学生っぽい「悪魔くん」こと「真吾」くんがいきなりファウスト博士に出会って、実は博士の何百年来の使命を引き継げる逸材で、メフィストを契約して、早速妖怪ガンマーと対決…グランセイザーも真っ青な超展開です。
 まあ、悪魔らしからぬお人好しで怠け者で愛嬌のあるメフィストさんが可愛いです。でも、悪魔なのにこんなに弱くていいのかよ、というくらいガンマーに苦戦しているのはどうかと思いますが。


 続いて第二話の相手は飛行機を次々襲う、600年?以上も生きた飛行機よりも巨大な「化烏」。繰演を駆使して縦横無尽に飛び回る化けガラスさんが、ぎこちないながらも可愛いです。で、まあ、人間の姿(嘴があるのでまっとうな人には見えないが)に化けてメフィストの前に現れるのですが、メフィストをたばかるやり方も物腰もなんかほほえましいので、火や氷やいろんな魔法で彼にトドメを刺すメフィスト悪魔くんの方が悪者みたいに見えてしまいます。
 それにしても烏にも悪魔くんにも手玉にとられるメフィストは、やっぱりこいつが悪魔だというのは嘘じゃないんだろうかと思いたくなるほど馬鹿です。


 まあ、物語上も設定上もツッコミどころはいっぱいあるんですが、そういうのを超越した愛嬌・微笑ましさがもモノクロの画面ながら鮮やかに伝わってきます。まあ、子供番組たらんとするサービスの良さ、演出上の配慮が随所に見えて好感触なのであります。続けてレビューしていきまっす。