リビングソードに惚れそう

いやー、自分はマジレンジャーに関して、放送開始当時はぶっちゃけ悪口ばっかしか言っていなかったわけなんですが(ただし甲斐麻美ちゃん以外について)、結局今更ながらはまりつつありまして、本編のDVDもしっかりゲットしちゃってるし、この劇場版に関してもtutayaに並んだ途端レンタルしてきちゃってるわけでして。
ときに、マジレンを「ちょっとこれは真剣に観た方がいいかも」と思ったのは、マジシャイン登場後、敵が「冥獣人」になったり、「十邪神」が登場したりしてきてから。あのあたりの設定に、しっかりとファンタジーについての知識、数々の神話・伝説へのオマージュふんだんに盛り込まれているのを感じてから。でもって、劇場版に出てくる冥獣人も、「バーサーカー」。マジレン世界のフォーマットの中でどうアレンジしているか、楽しみにしてたんですが、期待にしっかり応えてくれてましたよ。
てなとこで、劇場版本編の感想。やー、劇場版らしい贅沢な出来でした。満腹。
バーサーカーが引き連れている超冥獣リビングソードのデザイン、剣の集合体という素材を綺麗に整えて禍々しくかつシャープに仕上がっていてかっこよく、マジで惚れそうになったのです。その他、映像全般、本編に増してアクションも特撮もパワーアップ。文句なしです。
それに、映画としては随分短い部類に入る尺なのに、よくぞここまでテンポ良く、エキサイティングに燃える話に仕上げたなあ、と舌を巻く。まあ、ツッコミドコロはいろいろある(なんで、人間が行ってはいけない禁断の聖域に入ってるのに、全くおとがめがないんや、とか)のは否めませんが、そんなことはどうでもよくなるくらい、勢いがある。どうかすると詰め込みすぎになりかねないほど展開がめまぐるしいのに、流れに乗せて綺麗に裁いている。巧いなあ。
ともかく、今までバカにしてごめんなさいと心から謝罪したくなる出来でした。グッジョブ。
バーサーカーの声優檜山さんで、良い味だしてたし。細かいところでも、しっかり美味しい思いをさせていただきました。


話はマジレンから離れますが。
最初バカにしていた番組といえば、ウルトラマンマックスもそう。
今回はバルタン星人登場編でしたが、普通に感動してしまいました。というか、ダークバルタンが人間の存在についてマックスに突きつけてくる疑義が、これまでのバルタンにないキャラクターな気がして、ゾクっときました。そして、力で斃すのではなく、「理解」の末の「和解」という形での決着。自分、ウルトラマンコスモスとか観てないし、もしかするとこれまでのバルタンというキャラクターの変遷を何割か見逃している可能性もあるんですが、少なくとも自分としては、この決着は初代ウルトラマンにおけるバルタン初登場時の、その後長い時間に渡って特撮ファンにツッコミを入れられ続けるあのシーン「バルタンの一般市民が乗っている円盤をスペシュウム光線で破壊して虐殺」という、正義の味方としてのパラドックスに対する答えのように思えて。ウルトラマンが、既にして単なる正義の味方から昇華され、大人から子どもたちに未来を託すための重要なメッセージの一つとなり得たことを再認識(ティガの最終回とかでも、これは認識できたことだからね)したのでした。