31冊読了。うむ、我ながら頑張っているな。
「崖の館」に続く佐々木丸美さんの「館」三部作二作目ですが、うーんうーん。随分「崖」と感じ変わったなあ。霧の中を歩くような危うさ、幻想味ってのは前作からあったんだけど、今回はオチ含め完全に幻想小説寄り。面白かったですが。ただ、これは俺が30代男性だから思うことかもですが、涼子ちゃんの恋愛独白や千波ちゃんの独善ポエマー日記(ファンの方ごめんなさい)は、甘酸っぱい大長編の少女漫画を読まされているようで、少し気恥ずかしいです…(笑)
私が落選しました(笑)前期カッパワンの受賞作です。サクサク読めてテンポ良いです。感じとしては新伝綺?ラノベ?光文社様が今後押していきたい方面がなんとなく分かるような気がします(笑)
ロジック系本格の鬼である西澤さんですが、この短編集はどちらかといえば幻想小説。しっかり本格風味も効いてはいるんですが、必ずしも理論的でない解決の話もあって、西澤さんが今回描きたいのは「運命の皮肉」であることが窺えます。しかし、ハーレクインは本当に何者なんでしょう……?
この「腕貫探偵」と「リドル・ロマンス」を続けて読むと、どうやら
共通点が多い気がします。どちらも神出鬼没。どちらも正体不明?
ですが、こちらははっきりと、ロジック派西澤さんの真骨頂。堪能しました。櫃洗市の風景描写が微妙にやっぱり高知市なのも含めて(笑)楽しみました。