GWも読書

 先述の通り、GWはちょっとだけ読書がはかどったので、読了報告。

呪禁官 百怪ト夜行ス (The Cthulhu Mythos Files)

呪禁官 百怪ト夜行ス (The Cthulhu Mythos Files)

 呪禁官シリーズはずっと以前に1作目を読んだことはあったのですが、かなり記憶が薄れてて、そのせいでこの作品の主人公が前2作の主人公のお父さんと気づかず読んでました(恥)情けない…。それはともかく、「外伝」扱いするには勿体ない(人類の命運かかってるし)、重厚な伝奇ジェットコースターアクション巨編でした。次から次へと遅い来る敵、敵、敵、バトル、バトル、バトル!ページを繰る手が止まりません。満腹。なんだか勿体ない気がするので、呪禁官シリーズきちんと読み直そうかしら。

 実は甥っ子にプレゼントされた機龍警察シリーズ最新作。今回も読み応えありました。児童の自爆テロも辞さないという非情な敵相手に繰り広げられる極限状況の作戦と情報戦。スリリングでしたが、残念なのは、今回の主役がほぼ由起谷さんと城木さんなので、機龍乗り3人の影が少し薄くかったことでしょうか。しかし、ロシア出身のユーリとチェチェンのテロリストが対峙するという構図は本編でも触れているとおり奇妙な因縁に感じられますが、それだけにもうちょっと掘り下げて欲しかった気も。ちなみに、ラストはやっぱりほろりときました。由起谷のこの感情って、結局公僕として生きる全ての人にとっての答えであるような気がしますよね。

14歳からわかる生活保護 (14歳の世渡り術)

14歳からわかる生活保護 (14歳の世渡り術)

 お仕事関連で、興味深い本だったので読んでみました。雨宮さんというと、どうも過激な論調の方のようなイメージ(あくまで個人的印象。それほど著作も読んでいないですし)だったのですが、極めて現実的に、生きるために保護制度をどう活用すべきか、そして日本の保護制度の瑕疵を的確に論じてらっしゃいます。いやあ、自分が仕事してて、制度がもっとこうだったら自立も進められるのになあ、というジレンマを指摘されてて耳痛。こういう論点でこそ生活保護制度はもっと論じられるべきであって、受給することが罪みたいな論調は個人的に大嫌いです。

どんでん返し (双葉文庫)

どんでん返し (双葉文庫)

 挑発的なタイトルと帯につられて、ジャケ買いしました。会話だけで綴られる、奇妙な味わいの短編集。ですが、驚愕度としては、帯に書かれているほどでは…うーん。やはり、ここ20年くらいの本格・新本格ムーブメントの最中に揉まれた身としては、少し物足りない。とはいえ、端正で、大人っぽくて、小気味いいスパイスのきいた短編集であるのはたしかですが。