ヴィクトリカにツンデレの真髄を見た

読書ペース、相変わらず上がりません…ここまででやっと25冊です。
一年の三分の一が経過しようとしているこの時期でこの冊数だと、100冊は絶望的ですね…まあ、去年のようなペースが珍しかったことでもあるわけだし、あまりこだわらずに読書します。でも、数はやっぱりカウントします(笑)なんとなく。


★「GOSICK ゴシック(現在6巻まで)」桜庭 一樹



直木賞受賞以来、かなーりどっぷり桜庭作品にはまっておるわけですが、こっちにまで手を出すとは自分でも思っていませんでした(これまで押さえてきた桜庭作品とは、はっきり雰囲気違うカンジだし)。が…1を試しに読んでみると、ヴィクトリカツンデレっぷり&変人探偵ぶり(はっきりくっきり、少女版ホームズですなこれは)とかっちりした本格ミステリぶりに惹かれて、6巻まで一気買いして一気読み。あー面白かった。ヴィクトリカと一弥のかわいいドツキ漫才(しかし、14歳とは思えないような子供っぽさなんですが(^^:)もさることながら、ブロワ警部のドリルリーゼントなんかの小ネタもツボで、あっという間に読んでしまいました。
ちなみに、「トップランナー」で桜庭さんが、「作品を書く前に『文体選び』から始める」とおっしゃられていたと思うのですが、これを読んで更に実感。「私の男」や「赤朽葉家〜」などと比べて、はっきりと違う文章。かみ砕いた表現でなおかつテンポよく、ザクザク読み進める。良い意味でのラノベ読者向き文体。まさに職人技だ。


★「赤×ピンク」桜庭 一樹著



そして、これまたGosickとは全く違う文体と読書感覚。ともかく、これをラノベで出版した出版社はスゴイと思う(笑)。そしてまた、その当時売れなかったらしいというのも、実に納得できるというか(^^:設定的にも展開的にも、大人すぎで渋すぎです。
ちなみに、この当時から、「私の男」や「青年のための読書クラブ」のような、語り手の視点を変えつつストーリーを掘り下げていく方式を使われていたのですね桜庭さん。


Fate/Zero Vol.3 -散りゆく者たち- (書籍)
Fate/Zero Vol.3 -散りゆく者たち- (書籍)
祝、取り扱い開始記念!でamazonの画像とリンクを使ってみます。
全4巻の3巻目ともなると、そろそろマスターとサーヴァントもぼこぼこ死に始め、破局に向けて物語がひた走り始める印象。4巻では怒濤にして無惨な結末を迎えるはずなのですが、それがわかっているだけに、読むのが怖いかも。


★「残虐行為記録保管所」チャールズ・ストロス 金子 浩訳



ひ弱なハッカーくんが主役のスパイアクションなのですが、クトゥルーが出てくると言うことで期待したのですが…あまりそっち系の敵は出番少ないので少し不満。


★「別冊図書館戦争1」有川 浩



タイトル見たとき、最近ありがちなシリーズガイドブックかと思ったら、しっかり番外編(ある意味に置いては続編)ってことで、慌てて買いました。いやあ、このカップル、くっつく前のぎこちなさの反動かどうか、めちゃめちゃ甘い甘い(笑)。だけれども、郁ちゃんも女子高生でもあるまいに、この初心さはどうよ。でもまあ、そこがカワイイところでもあるんだけれどね…有川さんの恋愛小説の巧さは、「クジラの彼」や「阪急電車」で知っていたのですが、図書館シリーズでこういう話を読めるというのは、二度贅沢な感じがして嬉しかったです。でも、図書館とそれをめぐる諸問題についても、ながしろにされずきっちり描かれているので、これも偉いなあと。